白石蔵ノ介の場合 ページ5
「えらいしんどそうやなぁ」
休み時間に机の上にくたばっていると声をかけてきたのは同じクラスで…彼氏の白石蔵ノ介。
『そんな言葉でまとめないで欲しい…。』
「堪忍してぇな〜。アレの日か?はい薬。」
流石うちの彼氏。
無駄ないわ〜。
『蔵の薬は効きいいのに眠くならへんから助かるわ〜。
薬剤師にでもなれば?』
「薬剤師なぁ〜ありかもしれん笑」
なんて冗談を言ってると、浪速のスピードスターが飛んできた。
「あかん!白石はな!白石はなぁ!俺とトップテニスプレイヤーになんねん!」
蔵の薬のおかげで幾分マシやけど騒がんで欲しい。ほんまこいつは空気読まれへんな…。
「ってもな、謙也。別にダブルスプレイヤーちゃうしな…。謙也だってお父さんの病院継ぐんやろ?」
「せや!って、マジレスせんでええねん!
なんや、Aが暗いから笑かしたろおもてん!」
そこまで分かっているなら尚更黙っていて欲しい。
『謙也おおきにな。でも、静かにするのが1番有難いねん。
騒がれるのが1番辛いわ〜。ほんま小春ちゃんとか蔵見習え。もしくは金ちゃんみたいな可愛さを持ち合わせてから騒げ。』
「せやで、謙也。無駄多いわ。しかも、ちゃっかりAの事に呼び捨てにしとるし。
…Aしんどないか?あんまり薬効き良くないか?保健室で寝てくるか?」
『大丈夫やって!1歩も動きたくないから、真面目にノートをとろうって気持ちぐらいにはなったし!』
ニカッと笑ってみせたら蔵は頭撫ぜてくれた。
謙也が
「蔵の薬飲んでもノート真面目に取ったことなんか無いくせに…。」とか小声で言っとったけど無視した。
あかんわ〜蔵に頭なぜられるん気持ちええ。眠なってきたわ。
お日さんもええ感じに入ってきてるし…ファ〜
『おやすみ〜』
「あー。寝てもうた。しゃーないなぁ…謙也!ちょっとA保健室に持っていくから次の授業休むって先生に言っといて〜」
「え?ちょ!まちーや白石!
…って言ってしもた。」
その後白石にお姫様抱っこされたAが目撃されたとか、されなかったとか…。
おしまい
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作者名:桜吹雪 | 作成日時:2018年8月13日 12時