あなたが好き（短編） (ページ10)

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episode5-1 ページ10

ラビ「なぁ、A」

『…』

ラビ「おーい、A～？」

『…』

ラビ「Aちゃーん？」

『…』

ラビ「あーもう！A反応してさぁー！！」

無視するなよ～！と後ろからしがみ付いてくるラビにはぁ…と溜息ついてからぱたん、と読んでいた本を閉じた

『もう…なに？ラビ、』

ここは自分の部屋

今日は任務の呼び出しもなかったので部屋でずっと読もうと貯めていた本を今日こそはゆっくり読もうと計画していた

2冊目にはいったぐらいにラビが訪ねてきたのはいいが…
彼もたくさんブックマンのやることためているだろうに構って！と甘えてきている

『ラビ、わたし今日この本の山読んじゃいたいの』

ぽん、と手を置いた本の山に顔をしかめるラビ

ラビ「そんなんいつでも読めるじゃん」

ムス、とあきらかに拗ねた様子で答えるラビにどうしたら諦めてくれるか考える

『ラビもおじいちゃんから仕事ふられていたでしょ？それはどうしたの？やらないと怒られるよ？』

拗ねたラビもかわいいけどやっぱり今日は本を読みたい…
なんとか諦めてもらおうともっともなことを言ってみる

ラビ「明日やるからいい」

『…どうしたいの？』

構って、と言うけど特になにかやりたいことがある様子でもないし
聞けばやはりなにも考えていなかったようで

ラビ「Aはなにしたい？」

『本が読みたい』

ラビ「あーもう、そうじゃなくて！…はぁ、」

ため息をつくラビ

…もしかして、
あー、
でもわたしが恥ずかしい…

『…ラビ』

後ろから抱きしめてくるラビの名前を呼ぶとピクと反応する

ラビ「思いついたさ？」

さっきまで拗ねていたくせにいまはもうにこにこしている

『…ぎゅってしてて』

紅くなる顔を手で顔をかくす

ラビ「了解～！」

後ろ見なくてもニヤついているラビが想像できる声色
多分ラビはわたしに甘えてほしい日だったんだ…
構ってほしいけど、
それはわたしに甘えてほしいからで。
別にはじめから本を読んでる、読んでないはどうでもよかったんだ

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