07 カルテ ページ7
私はその言葉に、私の脳みそが動きを止めたのをぼんやりと自覚した。
それは多分、何で大我が自分のカルテなんてものを作ってるのか、理解したくなかったからだと思う。
だけど、私の耳は二人の話を聞き続ける。
「随分と外傷が多いんだね。
何日か前なんて、ぼろぼろじゃん」
「バグスターと戦った時に怪我しないほうが珍しいからな。
外傷はなくても内出血してるところなんかもあるしよ」
「ふぅん。
それにしても、カルテで１日の振り返りする人は初めて見たよ」
「別に１日を振り返ってるわけじゃねぇ。
前にやらされてたことが習慣になっただけだ」
「……ガシャットの研究？」
今まですらすらと話していたA姉が、言いにくそうに問いかける。
大我は何も言わない。
それが何よりの答えだ。
大我が5年前からずっとライダーをやっていることは知っていた。
でも、それがどんな感じだったのかとか、そういうことは全く知らない。
私が知っているのは、大我が一番ライダー歴は長いって事実だけだ。
「……プロトガシャットは今以上に諸刃の剣でな。
攻撃力にむらがあったり、体の負荷が大きかったりした。
こいつは、それをなくすためのデータ収集の一環としてのものだ」
「それが習慣になってるってことは、５年分、全部あるの？」
「あぁ。
一応全部取ってある。
……エグゼイド達にも、万が一の可能性はあるからな」
最後の大我の言葉は、本当に小さい囁きだった。
「ガシャットを寄越せ」ってずっと言っている理由が、きっとこれなんだ。
私に「仮面ライダーなんてやるな」と叱った理由も、きっとこれ。
大我は私はおろか、Mすら知らないことを知っているし、味わっている。
そして、同じ轍を踏ませないように、一人悪役を買ってる。
A姉はどこまで知っているのだろう。
昔からの付き合いなのだ、大我の思惑くらい理解していそうだけど。
でも、ずっと黙ってて、今知ったっていう可能性もある。
私はそっと部屋から離れて、再び給湯室に向かう。
もう水を飲みたいなんて思ってなかったけど、このまま戻るのも何もなかったことにしたみたいで嫌だった。
水を飲んで一息ついていると、扉が開く音がした。
振り向くと、そこにいたのはA姉だった。
バレてたな、と私は思う。
だけど、別に気にすることじゃない。
寧ろ訊きたいことが訊ける時間を得たと思えばいい。
私はA姉を見つめた。
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風早紫音(プロフ) - すっごく時がたってますが…。感想伝えたかったので、書きます。本当にこの小説のお話しが好きで大我推しの私としてはすごく楽しんで読ませていただきました。この小説を書いてくれてありがとうございました！ (2023年2月6日 0時) (
レス) @page33 id: 3b05bc2eb8 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんにちわm(__)mげんき？ごめんね…わからないけどコメントできるようになっていた！嬉しいよ！つっつまー…ほんとにいい作品ありがとう！あたしは凄く好きだから(//∇//)これからも応援していくね！ (2017年6月24日 14時) (レス) id: 09c93e2580 (このIDを非表示/違反報告)
つっつまー(プロフ) - リナっちさん» こんばんは。 お疲れ様！ なるほど、少しリナの会社事情が分かったよ(知ってどうする)。 私もリナの小説の更新をいつも楽しみにしてるよ。 お互いに無理せず頑張っていこうね！ (2017年6月14日 23時) (レス) id: 6cb1a01a88 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんにちわm(__)mお疲れ様ですm(__)m更新ありがとう(///∇///)待ってましたよ(///∇///)夜勤は長いなら意外と自由にやってるしスマホいじりはみんなしてるから大丈夫(//∇//)色々ありがとう(///∇///)あたしも頑張ります(^-^ゞ (2017年6月14日 12時) (レス) id: 63c890a766 (このIDを非表示/違反報告)
つっつまー(プロフ) - こんばんは。 お疲れ様！ いつも待ってくれてありがとう。 夜勤中にこんなの見てて平気なの？ 怒られない？(笑) ちょっと元気が回復してるみたいで良かった。 無理せず頑張ってね。 (2017年6月14日 0時) (レス) id: 6cb1a01a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つっつまー | 作成日時：2017年5月19日 21時
