第425夜 ページ35
ﾏｽﾙｰﾙ「本当に行くのか？」
モル「……？ どちらのことでしょうか。煌帝国ですか？暗黒大陸ですか？」
ﾏｽﾙｰﾙ「……どっちもだ。」
シンドリアの森の香りがする。でも、私の故郷の香りじゃない。同じ森の香りなのに、何故かしら。
モル「もう決めたことですから。Aを助けたいし、故郷にも帰りたい。行かない理由はありません。」
ﾏｽﾙｰﾙ「そうか。」
モル「はい。」
沈黙が流れる。私とマスルールさんとの会話は、長く続いた試しがない。きっとお互いあまり話すのが得意ではないから。
ﾏｽﾙｰﾙ「Aさんは………元気だと思う。」
モル「え？」
まさか、またマスルールさんが口を開くとは思わなかった。しかも、Aのことを話し出すなんて。
ﾏｽﾙｰﾙ「あの人は、よく周りを見ている。優しい人だと思うし、センパイもよく褒めていた。」
モル「は、はぁ。」
マスルールさんは、一体何が言いたいのかしら……
よく分からなくて、曖昧な返事しかできなかった。
ﾏｽﾙｰﾙ「それに……モルジアナ。お前のことを大切にしてくれている。その指輪もあの人から貰ったものだろう。」
その指輪、というのは、私の左手の小指に嵌められたもの。急にそんな事を言われて驚いた。確かにAから指輪を貰ったという話だけはマスルールさんにしていたけれど………
モル「は、はい……これはピンキーリングというものらしいです。確か右手の小指につければ今以上に幸せになれる。左手だと今の幸せを逃さない……という意味があると聞きました。」
ﾏｽﾙｰﾙ「……左手だな。」
モル「………？はい。」
マスルールさんは私の左手首を掴んで軽く持ち上げた。そのまままじまじと指輪を見られる。
ﾏｽﾙｰﾙ「こっちにしておけ。この方が、Aさんは喜ぶ。」
そう言ってマスルールさんは指輪を外し、強引に私の右手の小指に嵌めようとしてきた。
モル「！？……でも、私は今が幸せです！だから……！！」
反射的にマスルールさんの手を振り払った。私は、左手に嵌めるだけで充分なのに……これ以上幸せを望むつもりなんて、ないのに。
ﾏｽﾙｰﾙ「会って……見せてやれ。あの人は絶対に笑顔になってくれると思う。泣くかもしれないが。」
………どっちかしら。
モル「どうですかね……私にも分かりません。」
Aはどんな顔をするのかしら。
予想はついていたけれど、知りたくなって。
私は少し泣きそうになりながら、ゆっくりと右手を差し出した。
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riba(プロフ) - Shuka*さん» Shuka*さんコメントありがとうございます！この作品無駄に話長いんで……すみません大変でしたよね笑 わざわざ読んでくださって本当に嬉しいです〜！これからも頑張ります！！！！ (2017年7月26日 23時) (
レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
Shuka*(プロフ) - すっごく面白いです！！読み始めて2日目で今出ているところまで読んじゃいました！笑 本当に続きが楽しみですです！更新頑張ってください！ (2017年7月26日 23時) (レス) id: f9bfcf9f30 (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» むしろ私のこの夢小説のほうがおまけだと思いますよ！？紅葉モミジさんのイラスト集、応援しております！！！頑張ってくださいね！！！！！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 モミジ(プロフ) - ribaさん» いえいえ、そんなそんな！ありがとうございます！ribaさんの作品の素晴らしさを知って頂きたいだけです！自分の絵なんてただのおまけです！これからも応援しております！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 3c6dd2441c (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» 全然構いません！許可なんてむしろいらないですよ載せてください！！笑 この素晴らしいイラストをみなさんに早く見ていただきたいですから笑 (2017年7月23日 18時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riba | 作成日時：2017年5月5日 19時
