第408夜 ページ18
ジュ「ほら、探せよ。」
クイッと顎で本棚を指し示したジュダル。
………こんな事だろうと思ったわよ。
貴「あのねぇ。付いてきたなら手伝いなさいよ。」
大量の巻物が乱雑に押し込まれている本棚を目の前に、怪訝そうにジュダルを睨んだ。
ジュ「面倒臭ぇ。」
…………まあ、その気持ちは分からないこともない。
何せこれと同じ部屋………煌帝国の歴史や地理、人口などに関する大量の巻物が収められた部屋は、あと二十部屋もあるのだ。存在するかも分からない、そんな書物を探すために何日も使うのはさすがに骨が折れる。
貴「……………分かったわよ。邪魔だけはしないで。」
ジュ「へいへい。」
適当に返事をしたジュダルはその長い黒髪を指でとかし始めた。さっき私が急かしたせいでジュダルは髪を結わずに部屋を出たのだ。いつものように三つ編みを作るつもりだろう。
さて、どうしたものか。
ぐるりと周りを見渡した。
ざっと見ただけで五千……いや、それ以上。
これ一つ一つに手を付けていれば時間がいくらあっても足りない。効率良くいかないと。
とりあえずハールーンの事が書いてあるとすれば、歴史の文献………
入口付近で髪を結いながら座り込んでいるジュダルを置いて、私は本棚の物色を始めた。
貴「はぁ………………」
窓の色がすっかり変わって、どのくらい経っただろうか。
結論から言うと、この部屋にハールーンに関する文献はおそらく無かった。というのも、この部屋に存在する歴史の文献しか目を通せていないため、絶対に無いと言い切ることはできない。
明かりを灯すための蝋燭も、これで最後の三本目。これが消える前に部屋に戻りたい。廊下の所々に明かりはあるものの、やはりそれだけでは心細かった。
貴「ジュダル。」
やはりジュダルは床で胡坐をかいて寝ていた。声を掛けてみたものの一向に起きないので、肩を揺さぶる。
ジュ「…………あん？終わったのか？」
寝起き、不機嫌。まぁ、いつもの事だけど。
貴「今日はもう遅いから戻るわ。お腹空いてない？」
ジュ「…………空いた。」
貴「じゃあ女官さんに頼んでおくから。ほら、立って。」
未だ目を擦り続けるジュダルの背中をぽんと叩いた。
ジュ「ん。」
どこか上の空な返事をしたジュダルは立ち上がり、私達は資料部屋を後にした。
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riba(プロフ) - Shuka*さん» Shuka*さんコメントありがとうございます！この作品無駄に話長いんで……すみません大変でしたよね笑 わざわざ読んでくださって本当に嬉しいです〜！これからも頑張ります！！！！ (2017年7月26日 23時) (
レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
Shuka*(プロフ) - すっごく面白いです！！読み始めて2日目で今出ているところまで読んじゃいました！笑 本当に続きが楽しみですです！更新頑張ってください！ (2017年7月26日 23時) (レス) id: f9bfcf9f30 (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» むしろ私のこの夢小説のほうがおまけだと思いますよ！？紅葉モミジさんのイラスト集、応援しております！！！頑張ってくださいね！！！！！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 モミジ(プロフ) - ribaさん» いえいえ、そんなそんな！ありがとうございます！ribaさんの作品の素晴らしさを知って頂きたいだけです！自分の絵なんてただのおまけです！これからも応援しております！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 3c6dd2441c (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» 全然構いません！許可なんてむしろいらないですよ載せてください！！笑 この素晴らしいイラストをみなさんに早く見ていただきたいですから笑 (2017年7月23日 18時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riba | 作成日時：2017年5月5日 19時
