第407夜 ページ17
貴「………………………」
数秒ジュダルと見つめ合った私は、ふいっと彼に背を向ける。
貴「………服着てないなら着てないって言いなさいよ。」
戸を開けた途端、目に飛び込んできたのは半裸のジュダルだった。どうやらジュダルも風呂に入っていたようで、結っていた髪はほどかれ濡れていた。ぴたりとその艶やかな黒髪が肩と背中に張り付いている。運良く下は履いていてくれた。というか、下履いてないのに私を部屋に入れるなんてただの露出狂………
私、部屋に入る前に一応ノックはして、ジュダルの返事も聞いたのよ。だから遠慮なく入ったのに。
ジュ「………照れねーんだな、お前。」
照れるも何も、あんたいつもお腹出してるじゃないの。呆れたように溜息を吐いて、一言。
貴「見飽きたわ。」
ジュ「あっそ。」
貴「………………………」
自分から聞いてきたくせになんなのよ………
イライラして寄ってきた眉間のしわを伸ばすようにぐっと人差し指で押さえた。
ジュ「なぁ。」
貴「何。」
気だるそうに声を掛けてくるジュダルに、私もそれなりのトーンで返す。面倒臭い。
ジュ「なんでお前、風呂上がりなのにそんな色気ねーの。」
相変わらず失礼な奴…………
溜息を吐きながら横目にジュダルを睨む。色気も何も、とっくに湯冷めしてしまっているのだからあるわけがない。怠くて怒る気にもなれなかった。
貴「悪かったわね。」
ジュ「別に…………悪かねーけど。」
貴「……ハァ？」
何を言ってるの……こいつは。
さっきの発言とまるっきり矛盾している。
どっちなのよ………面倒臭い………
貴「……私今からちょっと出てくるわ。」
ぐしゃぐしゃと髪を掻きあげながら戸に手をかけた。こんなところでぐすぐずジュダルの相手をしている暇はないわ。時間が惜しい。
ジュ「あ？どこ行くんだよ。」
貴「資料部屋。」
ジュ「……なんだってあんなとこに………」
ジュダルがそう言うのも無理はない。黴臭くて滅多に人が出入りしないような場所だ。
貴「探すのよ、ハールーンについての文献をね。」
ジュ「………………」
あのアル・サーメンのことだ。ハールーン一族についての文献なんて既に処分しているか、あるいは隠し持っている可能性が高い。資料部屋に置いてある確率なんてほんの一握りだけど………
ジュ「………………俺も行く。」
ぎしっ、と音を立てて寝台からジュダルが立ち上がった。
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riba(プロフ) - Shuka*さん» Shuka*さんコメントありがとうございます！この作品無駄に話長いんで……すみません大変でしたよね笑 わざわざ読んでくださって本当に嬉しいです〜！これからも頑張ります！！！！ (2017年7月26日 23時) (
レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
Shuka*(プロフ) - すっごく面白いです！！読み始めて2日目で今出ているところまで読んじゃいました！笑 本当に続きが楽しみですです！更新頑張ってください！ (2017年7月26日 23時) (レス) id: f9bfcf9f30 (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» むしろ私のこの夢小説のほうがおまけだと思いますよ！？紅葉モミジさんのイラスト集、応援しております！！！頑張ってくださいね！！！！！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 モミジ(プロフ) - ribaさん» いえいえ、そんなそんな！ありがとうございます！ribaさんの作品の素晴らしさを知って頂きたいだけです！自分の絵なんてただのおまけです！これからも応援しております！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 3c6dd2441c (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» 全然構いません！許可なんてむしろいらないですよ載せてください！！笑 この素晴らしいイラストをみなさんに早く見ていただきたいですから笑 (2017年7月23日 18時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riba | 作成日時：2017年5月5日 19時
