第401夜 ページ11
ﾄﾞｩﾆﾔ「あの子はね、突然部屋に入ってきて……私の手を握って…何度も謝って……ごめんなさいって。寝たフリをしていたから表情までは見えなかったけれど、きっと………泣いていた。」
アラ「Aおねえさん………」
ドゥニヤは目を閉じ、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
目を閉じているのに、その表情は何故か遠くを見ているかのように思えた。
ﾄﾞｩﾆﾔ「どうしてあんなに謝っていたのか分からないわ。でも、あの後…………」
アラ「あの後？」
ﾄﾞｩﾆﾔ「急にジュダルと呟いて………そうしたら窓が開いたのかしら。本当に煌帝国の神官が居たみたいなの。」
顎に手を当てて考え込むドゥニヤ。状況を詳しく思い出しているようだ。
アラ「…………やっぱりジュダルくんが………」
ﾄﾞｩﾆﾔ「ええ。それであの子は驚いたみたいで……えっと、なんて言ってたかしら………確か、一ヶ月後って約束でしょ？って。」
一ヶ月後…………
ジュダルがAに答えを聞きに来ると言った、あの一ヶ月後の事だ。実際には翌日になってしまったわけだが。
ﾄﾞｩﾆﾔ「その声に反応した兵士が部屋に入ってきたのよ。神官様に攻撃されてすぐに静かになってしまったけれど………それであの子はやめろって叫んで、多分剣を使って………神官様を窓際に…………」
アラ「……………どうしたんだい？」
ドゥニヤが急に黙り込んでしまった。
状況が思い出せないわけではなく、何か言いたくない事があるような……そんな沈黙だった。
ﾄﾞｩﾆﾔ「……………………私ね、期待していたのよ。馬鹿みたい…………」
ドゥニヤが自傷気味に呟く。
次にどんな言葉が来るのか、アラジンには想像がついていた。
ﾄﾞｩﾆﾔ「組織が………まだ私を必要としてくれてるって思っていたの。でも違いましたわ。」
再び沈黙が流れる。アラジンは何も言葉を発そうとはしなかった。
ﾄﾞｩﾆﾔ「私じゃなくて、あの子だった。」
ドゥニヤは肩も声も震わせ、その一言だけを放つ。泣いていた。
アラ「ドゥニヤおねいさん…………」
何を言っていいかわからず、ただただ名前を呟くことしかできなかった。
ﾄﾞｩﾆﾔ「まがいものの金属器使いの私は、もう要らないんですって。イスナーン様に忠誠を誓っていたのはあの子よりも私なのに。」
……悲しそうな表情。アラジンはドゥニヤのこんな顔ばかり見ている気がしていた。
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riba(プロフ) - Shuka*さん» Shuka*さんコメントありがとうございます！この作品無駄に話長いんで……すみません大変でしたよね笑 わざわざ読んでくださって本当に嬉しいです〜！これからも頑張ります！！！！ (2017年7月26日 23時) (
レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
Shuka*(プロフ) - すっごく面白いです！！読み始めて2日目で今出ているところまで読んじゃいました！笑 本当に続きが楽しみですです！更新頑張ってください！ (2017年7月26日 23時) (レス) id: f9bfcf9f30 (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» むしろ私のこの夢小説のほうがおまけだと思いますよ！？紅葉モミジさんのイラスト集、応援しております！！！頑張ってくださいね！！！！！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 モミジ(プロフ) - ribaさん» いえいえ、そんなそんな！ありがとうございます！ribaさんの作品の素晴らしさを知って頂きたいだけです！自分の絵なんてただのおまけです！これからも応援しております！ (2017年7月23日 19時) (レス) id: 3c6dd2441c (このIDを非表示/違反報告)
riba(プロフ) - 紅葉 モミジさん» 全然構いません！許可なんてむしろいらないですよ載せてください！！笑 この素晴らしいイラストをみなさんに早く見ていただきたいですから笑 (2017年7月23日 18時) (レス) id: 2aa2cb58f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riba | 作成日時：2017年5月5日 19時
