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7,次男 ページ9

〜カラ松 side〜


チビ太のところから帰ってきて布団に潜った。

それはいいのだが…

カラ「…眠れない」

布団の中で何度目かもわからない寝返りを打つ。

他の兄弟達はすぅすぅと規則的な寝息を立てている。

そっと布団を抜け出し、階段を降りる。

水でも飲めば少しはマシになるかもしれない。

台所でコップに冷たい水を注ぎ、居間へ向かう。

ガラガラ…

玄関で音がした。

少し覗いてみると、フードを被った妹がいた。

カラ「おかえり、A」

声をかけると、Aは薄く笑みを浮かべた。

『ただいま、カラ松兄さん』

その目はどこか虚ろで、いつものAと違うことは明白だった。

ふと時計に目線を上げると時刻は午前2時。

Aが帰ってくるには遅い時間。

普段はもっと早いはずだ。

段差に座り、黒いスニーカーの靴を脱ぐAに近寄る。

カラ「なあA、何かあったか?」

『なんで?』

キョトンとした顔で首を傾げるA。

しかし目の奥は空っぽで、Aが少しだけ遠くなってしまったようで。

カラ「…いや、帰りが遅かったからな。大切なsisterを心配するのは、兄として当たり前だろう?」

『わーイッタいねぇ(棒)』

Aは立ち上がり、フードを取って俺に笑いかけた。

『でも、ありがとね。カラ松兄さん』

カラ「!…ああ!」

その表情は先ほどと違い、俺のよく知る妹のものだった。

Aが戻ってきたような気がした。

『ボクも着替えて寝るから、カラ松兄さんも早く寝なよ?』

カラ「そうだな。もう少しこの静寂を堪能してk『おやすみ〜』…えっ」

俺の言葉を遮ってAは階段を登っていく。

カラ「…おやすみ」

ふっと笑って言った。

するとAは足を止め、振り向いて微笑んだ。

『…おやすみ』

Aが見えなくなり、居間に戻る。

あの目はなんだったのか…

でもはぐらかすあたり、聞いて欲しくはないのだろう。

…俺はそんなに頼りない兄貴なのだろうか。

カラ「クソッ…!」

ガッと水を一気に喉に流し込んだ。

カラ「はぁ…」


Aの力になりたいと思うのは俺のお節介か?

お前のその華奢な背中には、一体何を背負っているんだ?

なあ、俺も何かしたいんだ。

長男(おそ松)ではないが、俺もお前の兄貴だから。

番外編 ・誕生日→←6,従者と王子


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夜風 樹(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!リクエストということでよろしいでしょうか?では、番外編でほんの少しだけ書いてみます。気長にお待ちくださいm(_ _)m (2018年4月4日 8時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 秋と付き合うエンドが見てみたいです! (2018年4月4日 3時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜風 樹 | 作成日時:2017年5月10日 23時

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