19，だいっきらい ページ22
〜夢主 side〜
今日はいつもオーダーしてくれるアパレルショップの店長であるお得意様に、デザインのアドバイスなどをしに行った。
無論、このあと秋のところに行く予定。
足取り軽くいつもの路地裏へ向かっていると、
ピロンッ♪
軽いLIMEの通知音。
ん？なんだろ。
すぐにLIMEを開く。
秋くるな あぶない
『え…？』
《くるな》？
会いに行くなってこと？
《あぶない》？
何があったの？
『…行かなきゃ』
今の秋は、ほっとけない。
ボクは急いで路地裏へ走った。
・・・・・・・
バキッドカッ
聞き慣れた音がする。
高校で兄さん達と一緒になってよくやっていた、喧嘩の音。
嫌な予感がする。
『秋！』
叫びながら角を曲がる。
音はピタリと止み、その場の人間の視線が全てボクに向いた。
『え』
目に飛び込んで来た光景にボクは驚愕した。
地面にボロボロになった秋が倒れていて、それを取り囲む六人の人影はお揃いのパーカーを色違いで着ており、ボクが今着ているものと同じデザインの物だ。
『に、兄、さん？何、やって…』
おそ「…何って決まってんじゃん」
赤の兄はへらへらと笑う。
けれどその鋭く研ぎ澄まされた視線に恐怖を抱いた。
おそ「俺達の大事な大事な妹を傷付けた奴に、ちょっとお仕置きしてるだけ」
『違う！秋は何もしてない！』
カラ「何もしてない？可哀想に。言わされているんだな」
チョロ「ほんと。こんな奴がAに触れてたとか吐き気がする」
一「姉さんが気にすることは何もない」
十四「悪者は僕達がやっつけたから！」
トド「もう二度と姉さんの前に現れることはないよ」
『そんなっ…！』
岩城「ぅ…A…逃げ…」
秋の声がしたと思ったらみんなの目の色が変わった。
おそ「Aを気安く呼ぶな。ゴミが」
おそ松兄さんの言葉を合図に秋に殴りかかる。
秋に駆けよろうとするとカラ松兄さんとトド松兄さんがボクを止める。
ボクは秋の血が飛び散るのを見ているしかなかった。
しばらくして兄弟の《お仕置き》とやらは収まり、みんなは秋から離れた。
兄弟達はボクに爽やかな笑顔を見せた。
「「「「「さあ、帰ろう？」」」」」」
…狂っている。
今のボクにはそうとしか思えなくて、大好きな兄弟が大鎌を持った悪魔に見えた。
冷たい転がっている真っ赤に染まった秋を見て、やはり許せなかった。
『みんななんか…だいっっきらい！！！！！』
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夜風 樹(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！リクエストということでよろしいでしょうか？では、番外編でほんの少しだけ書いてみます。気長にお待ちくださいm(_ _)m (2018年4月4日 8時) (
レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 秋と付き合うエンドが見てみたいです！ (2018年4月4日 3時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜風 樹 | 作成日時：2017年5月10日 23時
