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15,不安 ページ18

〜一松 side〜


白猫「にゃぁ〜ん」

愛らしい瞳で俺を見つめる白猫を撫で、路地裏を出た。

今日は子猫もいたな。

可愛かった。

日課である猫の餌やりを終え、帰路を辿る。

途中、工事で通行止めになっていた。

行きは違う道から来たから気付かなかった。

遠回りしないと帰れない。

一「はぁ…」

ダリィ…

仕方なく遠回りの道へ出る。

この道は姉さんのバイト先の近くを通る道だ。

姉さんのバイト、夜遅いからみんな結構心配してた。

しかも最近は出かけることが増えたからそれに拍車がかかってる。

姉さん、何してるんだろう…

?「みゃあ」

一「!」

足元にくりくりとした瞳のミケ猫が頭を擦りつけていた。

ミケ猫の喉を撫で上げてやると、ゴロゴロと喉を鳴らした。

ミケ猫「みゃぁん」

ミケ猫は近くの路地裏へと入っていく。

…寄り道、していこうかな。

そう思い、ミケ猫を追った。

それは、間違いだったのかもしれない。

・・・・・・・

一「あれ…」

奥へ進むうちに、ミケ猫を見失ってしまった。

諦めよう。

踵を返そうとしたその時だった。

?「ーーー」

?「ーー」

微かに聞こえた話し声。

誰かいる。

俺には関係ないけど。

無視しようとした。

でもチラリと見えた、あのミケ猫の尻尾。

一「あっ…」

ミケ猫は人がいるであろう方向へ向かっている。

しかし俺はミケ猫についていった。

一「ちょっと待っ…」

角を曲がった時、見てしまった。

ボロいソファに腰掛けた二人の人影。

金髪の奴と、黒いフードを被った奴。

その二人の、キスシーン。

金髪の奴は、どこかで見たような気がしないでもないが思い出せないが、金髪のほうは正直どうでもいい。

気になるのはもう一人のほう。

ちらっと見えた黒いフードの奴の大人びた顔は、生まれてからずっと毎日見続けて来たものだから。

?「A、俺と…」

一「ッ!」

名前を聞いた瞬間、俺はその場を離れた。

もちろん、音を立てないよう細心の注意を払って。


一「…くっ……はぁ、」

大通りに出て、大きく息を吐いたと共に次々と疑問が浮き上がる。

なんで?

なんで姉さんがあんな所にいたの?

なんで姉さんとあの男はキスをしていたの?

なんで姉さんは僕等よりあいつを選んだの?

どうして?

あいつは、姉さんの何なの?

姉さんは、僕等よりもあいつのほうが大事なの?

姉さんは、僕等から離れていくの?

いなくなるの?

全部全部わからない。

だから不安でたまらなくなる…

16,ずっとずっと→←14,気付いてしまったら


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夜風 樹(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!リクエストということでよろしいでしょうか?では、番外編でほんの少しだけ書いてみます。気長にお待ちくださいm(_ _)m (2018年4月4日 8時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 秋と付き合うエンドが見てみたいです! (2018年4月4日 3時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜風 樹 | 作成日時:2017年5月10日 23時

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