13,必要として ページ16
〜トド松 side〜
姉さんの様子がおかしい。
それはみんなわかってる。
でもどうしようもできない。
僕って頼りないのかな…
居間でそんなことを考えつつスマホを開いた。
ピロンッ♪
僕のスマホの隣で充電してあった姉さんのスマホがなった。
…少し興味があった。
姉さんのこと、何か知ることができるかも。
ただ、興味本位で姉さんのスマホを覗いてみたんだ。
岩城今日も待ってる
映し出されたLIMEの通知。
送り主の名前が目に入った瞬間に絶句した。
え?
岩城って…あの岩城 秋?
姉さんに酷いことしてた、あの?
なんで、そんな奴が姉さんに、待ってるなんて…
…もしかして、最近ずっと岩城と会ってるの?
姉さん
『ねー、ボクのスマホ知らない?』
背後から聞こえた姉さんの声に、僕はビクッと肩を揺らした。
『どうしたのトドま…つ…』
姉さんは僕の手元を見て、固まった。
刹那、ばっと僕に顔を寄せ、僕の手から自分のスマホをひったくるように奪い取った。
『何やってんだ!触んな!』
突如耳を劈いた声。
トド「ヒッ…」
姉さんのこんな声、聞いたことない。
『……ぁ…』
姉さんはハッと我に返ったように
『…や、その…ごめ…ごめん、トド松…』
姉さんの目は罪悪感に染まっていた。
『えと、中、見た?』
怯えたように僕を見つめる姉さんは、僕の知る姉さんとはかけ離れていて、まるで別人のようだった。
トド「…ううん。見てないよ。姉さんこそどうしたの?僕びっくりしちゃった」
『そっか…ごめんね、驚かして。…仕事で情報漏洩とか困るからさ、ボクのスマホはあんまり触らないでくれると助かるな』
と姉さんは困ったように笑った。
さっきの怯えは嘘のように消えていて、どれが本当の姉さんなのか益々わからなくなる。
ごめんね、ともう一度謝ってから姉さんは二階へ上がっていった。
姉さんは、この後岩城のところに行くのかな。
僕は、止められないのかな。
末弟っていう立場は嫌いじゃない。
でもこういう時だけは、自分が末っ子であることを恨むよ。
姉さんはきっと、兄さんに話すことを僕に話してくれない。
大事なことはいっつも兄さん達ばっかりで、僕は要らないんじゃないかって思うときもある。
…姉さんは、僕を必要としてくれるよね?
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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夜風 樹(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!リクエストということでよろしいでしょうか?では、番外編でほんの少しだけ書いてみます。気長にお待ちくださいm(_ _)m (2018年4月4日 8時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 秋と付き合うエンドが見てみたいです! (2018年4月4日 3時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜風 樹 | 作成日時:2017年5月10日 23時