9，悪夢の朝 ページ12
〜夢主 side〜
『ッ！……ぅぁ…ユメ…？』
パッと暗く深いユメから覚めた。
久々に見た…
昨日あんなことがあったからだろうか。
おもむろに上体を起こす。
なんだか、ユメの世界に取り残されたようで。
壁の向こうから微かに聞こえる兄弟のいびきにほぅっと安堵する。
それだけで安心できた。
スマホを開くと、5:06と映し出されている。
目を閉じると鮮明に浮かんでくる悪夢。
脳裏に焼き付いた現実。
ちゃんと鍵を掛けて閉じ込めたつもりだった。
文机の引き出しから白い御守りを取り出す。
スケッチブックから1枚紙を破り取り、サラサラと文字を並べていく。
それを折りたたんで御守りに入れた。
『…演じないと』
御守りを握る手にきゅっと力を込めた。
とりあえず黒のパーカーとジーパンに着替えて一階に下りる。
母さんたちもまだ起きていないようで、やることも特になく暇で仕方がない。
しかし静かな空間で響くカチッ、カチッ、という一定の時を刻む音は心地よかった。
瞼が重くなっていく…
・・・・・・・
？「…ろ…起き………とりゃ！」
ゴッと鈍い音が響く。後頭部と鼻がめっちゃ痛いんだけど？
『…ぉはよ。痛い。とてつもなく痛い。誰だ何松だ兄松だろわかったからとりあえず殴ろう』
拳を握りしめゆらりと立ち上がる。
おそ「ちょっ待って待って待って⁉ごめんね⁉悪かったって！ごめんって！」
おそ松兄さんは本(分厚め)を片手に謝罪の言葉を繰り返す。
おそ「殴ったのは謝るけどさ、そこで寝られたら飯食えないから！ね！わかって！お願い！」
『あ"あ”？』
おそ「すんませんしたッ！！」
『土下座決め込むくらいならやるんじゃねぇよクソ長男』
少しずつ目も覚めて落ち着いてきた。
時計を見ると現在の時刻は午前11時を過ぎたところ。どうやら暇すぎて居間で卓袱台に突っ伏して寝たらしい。
ボク、あの後二度寝したのか。
チョロ「A起きた？朝ご飯できてるよ」
チョロ松兄さんが目玉焼きを運びながら言う。
『おはよ…チョロ松兄さん』
チョロ「おはよう。A」
なるほど、ボクが邪魔で飯が食えなかったと。
だからって鼻潰されんのはなぁ。
けど飯の邪魔してたのも事実。
『悪かったよ…』
と聞こえなるか聞こえないかくらいでぼそっと言ったボクを横目に、兄弟は「いただきます」というが早いか飯にがっついた。
平和だねぇ。
そう思いつつボクは目玉焼きに箸を伸ばした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜風 樹(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！リクエストということでよろしいでしょうか？では、番外編でほんの少しだけ書いてみます。気長にお待ちくださいm(_ _)m (2018年4月4日 8時) (
レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 秋と付き合うエンドが見てみたいです！ (2018年4月4日 3時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜風 樹 | 作成日時：2017年5月10日 23時
