【歌い手】 ごめんね、私… 【そらる】【まふまふ】

３５　In the room ページ36

「A、百合愛ちゃん！


　お疲れさま！ 良かったよ！！」





楽屋に入るとすぐに、そんな声が聞こえた。





声が聞こえた方を見ると、泣きそうな表情をしている怜悧。





「…ただいま！」





私たちは椅子に座って、モニターに移されているライブ会場を見る。





既に次の曲に移っていて、白と青のペンライトがリズミカルに揺れている。





さっきまでこの場所で歌っていたなんて、信じられない。





それほどまでに、After the Rainはキラキラしている。





歌が終わり、MCに入った。





「あのさ〜、みんなわかると思うんだけど、まふまふってすぐ病むじゃん？ww」





「失礼な！www」





「まあまあ。

　それでさ、昨日？だったかの夜もさ〜…」





そんな風に仲の良いエピソードを披露する二人と、彼らの一挙手一投足に黄色い歓声を上げるリスナーさんたち。





歌っているときも思っていたけれど、改めて見ると一体感がすごいなぁ…。





「えっと…、じゃあ次の曲振りいこっか」





「ですね。


　次が最後の曲です！」





その瞬間、観客席から起きる「えー！？」という声。





その声に対してまふまふさんは軽く微笑んで言った。





「ボク達の大切な曲。 聴いてください。


　桜花ニ月夜ト袖シグレ」





ペンライトの色が、一斉にピンク色に変わった。

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