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無事にお兄様の熱も下がり、いつもと変わらない日々を過ごしていた。 季節は春になろうとしていた。 頬を横切る冷たい風はきっと冬の名残であろう。
そんな明るい日に私はお兄様たちを見送らなければならなかった。 そう、戦争だ＿＿＿
｢ 無くなればいいのに。｣
｢ A様？ いかがなさいました？｣
私が呟いた言葉に女官が反応した。 私は｢ なんでもないわ。｣と笑い、門に向かって歩き出した。
｢ A姉上！ ｣
門に行くと黒髪の小さい少女が私の元に駆けてきた。 その後ろには遅れて小さい男の子もいて｢ 姉上っ｣と呟いてその少女の袖を握った。
｢ 白瑛様、白龍様、もうすでにいらっしゃいましたか。｣
私は煌独自の挨拶をし、膝まづいた。年は私の方が上ながらも高位は2人の方が上だった。 しかし、白瑛様は将軍になりたいと言って聞かないおてんばらしいところもある。
｢ 姉上様より早く来るのが当たり前です！ ｣
｢ A姉上！｣
そう言って二人が私に抱きついた。 私はしゃがみこんで二人を力強く抱きしめた。 二人は笑いながら私の名前を呼び続けた。
｢ A様、もうそろそろでお時間です。｣
女官が私を見せながらお兄様たちがくるのを知らせてくれた。 二人も離れて｢ また、後ほど。｣と言えば元の場所に帰っていった。
私は煌独自の挨拶をし、頭を下げ、戦争に向かう人々を送る。
｢ A ｣
名前を呼ばれ顔を上げると紅炎お兄様がいた。紅炎お兄様は私に紙を出し、それを受け取った。
｢ 俺達が留守中にしてほしい。｣
｢ 仰せのままに。｣
私は力強く自分の手を握りしめ、紅炎お兄様をみた。
紅炎お兄様は｢ 任せたぞ。｣と言うとすぐに正面を向き飛び出した。
私が男ならきっとお兄様たちを助けることができるのにといつも考える。
考えても性別は変わらない。だから、私がやれることをこれからしていく。
｢ まずはこれね。｣
私は紅炎お兄様からもらった紙を見て準備を始めた。
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作者名：佑里 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ri0410saka1/
作成日時：2017年2月18日 23時
