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振り返ると立っていたのは鎧を着たままの白雄様だった。当の本人は汚れているのにも目を当てずに部屋の中に入ってきた。
「 白雄様、湯浴みなされたほうが... 」
「 これを渡したかったんだ。」
懐を漁りながら私に近づいてきた。手を出してと言われ手を出してみると手のひらには紫色に光るものがあった。あまりの輝きにどこで手に入れたか聞くと
「 帰りに見つけたんだ、Aに似合うと思って。」
そう言うと白雄様は私の手首に紫色のブレスレットを通してくれた。私はあまりの美しさにしばらく見とれてしまい、目がチカチカするほど見入っていた。
「 気に入ったようだね。」
「 はい、ありがとうございます。」
それなら良かったと白雄様は言うと私の頭を撫でてくれた。しばらくすると上から あ という声が聞こえてきた。私は上を向くと白雄様は申し訳なさそうに私を見ていた。
「 すまない、部屋を汚してしまった。」
後ろを見ると部屋の中には土や足跡などが床についていた。私は侍女を呼ぶので大丈夫というと白雄様が私の肩を掴み顔を近づけてきた。
「 白雄様...?」
「 部屋もこうなってしまったのは俺の責任だ。Aさえ良ければ今晩俺の部屋で寝なさい。」
ね、と笑顔で白雄様は言った。私は状況が全く分からぬまま黙っていると白雄様はじゃあ、待っているとだけ言って部屋を出ていった。
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作者名:佑里 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ri0410saka1/
作成日時:2017年2月18日 23時