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諸泉「あの、なんでAさんは男装してるんです？あのままでよかったんじゃ？」
高坂「女中の制服着た奴が男二人と一緒に関を抜けられるわけないだろ！怪しまれて呼び止められるに決まってる」
走っている最中に喋りかけられぴしゃりと跳ね返した高坂さんにむっとしたのか、尊奈門くんが言い返した。
諸泉「だったら男三人で関を抜けるのだって変ですよ！明らかに違和感あるでしょ？！」
A「しょうがないでしょ、忍び装束の表裏を返して変装してるんだから。着物を調達する暇はないし」
諸泉「女性ものの着物なら私が小頭から預かってます」
高坂・A「「なんでだ？！」」
思わず足を止めた私と高坂さんと反対に止まりきれずにばたばたと戻ってきた尊奈門君に聞く。
A「昆奈門様に、預けられた？なんのためかは聞いてないの？」
諸泉「羽衣の術に使えるとかなんとか言われて待たされました」
A「羽衣の術…って高所から飛び降りるときに風を受けて着地を緩めるやつだけどーーーーーーーこんな綺麗な着物使わないよ普通」
見せられた着物は薄紫に淡く染められた着物で、藤の花と霞を裾にあしらった綺麗なものだった。
A「絶対高い………あ、手紙入ってる」
綺麗な着物とはいえ帯の裏や袂、袖口、裾に小しころを入れる袋が縫われている。袂に入っていた手紙を開き、目を通してからぐしゃりと握りつぶしそうになり、冷静になってたたみ直してからしまった。
高坂「小頭からはなんと？」
A「“似合うと思ってこの前買ったんだけど直接渡すのは恥ずかしいから尊奈門に預けたよ。
着たら見せてね”、だそうです。尊奈門君、もう一回風呂敷に包んで背負ってて」
嬉しいけど嬉しいけど、今じゃない感がひどい。
それにこんな綺麗な着物、絶対汚したくないし。
諸泉「はーい。ひょっとしてあんまり気に入りませんでした？」
A「いやそうじゃなくて、嬉しいけど………こんな里に危険が迫る有事の際に急いでるときに渡されても」
諸泉「たしかに間が悪かったですね」
高坂「まぁ、間が悪かったな。行くぞ、もうすぐ関だ」
ドクタケの関所は戦の前だからかいつもより警戒が厳しい。商人は荷車の中まであらためられるらしい。
高坂「すみません、関を抜けたいのですが」
役人「行き先と用と、連れの関係を申せ！」
高坂「弟と、弟の友人です。瀬戸にある祖父の家に遊びに連れて行くところです」
役人「兄弟……ああ、お前とそこが兄弟か」
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みずけい - すごい…お上手ですね！絵も作品も設定も！とても面白いです。尊敬しちゃいます (1月6日 16時) (
レス) @page26 id: 56c1fb1e39 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 涙さん» ああ！！すみません変換完全にミスりました！ありがとうございます！ (2019年10月13日 19時) (レス) id: 31c0208f5b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 92話祝元になってますよ？ (2019年10月13日 19時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
彼は誰時 - 最近、組頭に沼ったのですが…ここが楽園か……最高です！まったり更新待ってます！ (2019年10月13日 19時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 名無し65455号さん» ありがとうございます！ミスってました直しときますね！ (2019年9月17日 15時) (レス) id: 14131fd91c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2019年8月17日 11時
