黄昏の契り２【忍たま乱太郎】【雑渡昆奈門】

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役人が交互に見たのは、私と高坂さんだった。


高坂「(似てるか？)」
A「(似てないと思います)」


口を開けずに小声で話していると関を通る許可が降りた。こんな夜に通るのを怪しまないのか。


高坂「(随分あっさり通してくれたな)」
A「(糧食を運び込んでるみたいですし忙しいんでしょう)」


関を抜け、しばらく歩いてから関から完全に見えなくなってから口を開いた。


諸泉「さっき何話してたんです？」
高坂「Aと私の顔が似てるかという話だ」
諸泉「ああ、さっき兄弟って言って納得されましたもんね。まぁ似てなくはないです。
高坂さんつり目だし、Aさんも目尻が上がってるのでぱっと見似てるかもしれません」
A「へぇ………そう見えるんだ」


変装次第じゃ血縁くらいには化けられるかもしれないな。


高坂「急ぐぞ、猶予はない」


半日走り通してタソガレドキの忍び里に戻れたのは夜が明ける頃だった。
岩の洞窟を抜けて狼隊の屋敷へ走る。
玄関で草鞋を脱ぎ捨てて急いで襖を開ける。
中にいたのは昆奈門様と山本さん、それに組頭と押都さんがいた。


高坂「只今ドクタケ領から帰還しました」
A「ドクタケはベニテングタケに利用されていたようです」
高坂「ベニテングタケはドクタケのオーマガトキへの進攻を隠れ蓑に」
A「タソガレドキの忍び殲滅のため、この里へ侵攻するつもりです」
高坂「またドクタケもオーマガトキへの進攻を」
雑渡「ちょっとちょっと待って。
息はぴったりだけど、もうちょっとゆっくり話してくれないと」


一時話の腰を折られ、高坂さんと顔を見合わせて頷く。


高坂「はい、実は」
A「かくかく」
高坂「しかじかでして！」


がくっ、とずっこけられた。


A「昆奈門様、顔の包帯はみ出してます」
高坂「押都小頭、お面がずれてます」
山本「まぁそれはどうでもいいとして。で、ドクタケはまんまとベニテングタケに騙され、暗殺されるところだったわけか。
どうしますか、組頭。
ドクタケのオーマガトキ進攻があるなら里の防衛と二手に分けねばならなくなります。いっそ園田村は見捨てるべきです」
組頭「押都、黒鷲の反屋と椎良がまだドクタケにいるな？」
押都「はい」
組頭「隼の表田裏高に毒を届けさせろ。改めてドクタケ城城主、木野小次郎竹高を暗殺する」


それを慌てて止める。


A「お待ちください、それはまずいです」

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