ぼんちゃん リクエスト募集中の短編集です

だれかの心臓になれたなら(ちょっとヤバい…？パクリじゃないよ！) ページ25

私はその手をとり…

心のそこから醜い(美しい)愛をお嬢様に注いだ。

そんなある日、お嬢様が

「こんな世界‥！」

と嘆いた。

お嬢様を慰めたい、落ち着けたい。

でも今まで全力の『あい』を注いできたのに、落ち着かせ、生きる理由になれるでしょうか…

私は生まれつき持病を持っています。

それを父から明かされた日から、手に取るように分かる、弱り様…

すぐそばへの「死」への道を一歩一歩確実に踏んでいく。

早くお嬢様にアイの言葉を言わなければ…！

「お嬢様、私からの最後の『アイ』の言葉は…っｯ！」

く…るし…ぃ！

「セバ…チャ……!」

お嬢様の声が…もう聞こえ…

＿＿＿＿＿
マリアside

セバスチャンが言った『最後の愛の言葉』が少し気にかかってはいたけど、

私はセバスチャンが言おうとした愛の言葉を聞こうとした。

その瞬間、急にセバスチャンは苦しみだした。

私も必死に名前を呼んだけど…もう二度と目を覚ましてはくれなかった…

今は最低限の人数で、私とヨハネで慎重に選んだメンバーだけで

セバスチャンのお葬式をし終わったところ。

一人自分の部屋に閉じこもり、独り言を呟く…

「ねぇセバスチャン…あのまま愛に溺れて溺れて溺れまくって、セバスチャンの愛に溶けたって構わないから…」

セバスチャンの沢山の愛に溶けたって構わないから…！

「お願いだから、あの日(家出した日)の様に優しく傘をさして笑ってよ…！」

数時間経った今でも鮮明に思い出せる。

私のショックで暖かさが消えた指に絡んでいた、セバスチャンの僅かに暖かい指が

心拍音が消えると同時にセバスチャンの指が解け、

私の指はまた冷たくなる。

こんなにも絶望している私の血を巡らすのは誰の思い出(ヨハネ・ネロ・エレナ・レオナード)…？

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