22:豹変 ページ25
猟、犬……?ってことは……
「犯、ざぃーー…痛っ!?」
.
突如、足のすねを襲った激しい痛み。
それと同時に噛み殺されそうなほどのーー…強い視線を前方に感じた。
.
「ぇ……ぁっと……イリア、ちゃん……?」
.
そう、それは彼女。
栗色の瞳を鋭く光らせてこちらを睨みつけるーー…イリア・フレンチェだった。
.
「……犯罪者って言うな……」
「……ぇ?」
「っ……!
犯罪者って言うなっつってんだよ!!!」
.
目に涙を溜めて、訴えるように彼女は叫ぶ。
ハンジさんは「あちゃー」と言うように額に手を当てている。
ーー…どうやら私は地雷を踏んでしまったらしい。
.
「い、イリアちゃーー…「うぜぇんだよ、その目」
.
先ほどまでの可愛らしい少女はどこにいったのか。
今目の前にいるのはそう、あの初めて会った時のリヴァイさんのようなーー…
一匹の猛獣か何かのようだった。
.
「どうせ今までその目で俺たち犯罪者のこと見下してきたんだろ?なぁ?
自分は人も殺せねぇチキンのくせによ……
それで?汚れ仕事全部猟犬たちに押し付けといて自分は善良な一般市民です、ってか?
ざけんな……
天使面してんじゃねぇよクソっ!」
.
ガッと襟元を掴まれる。
痛い……
苦しい……
なんで、こんなっ……
.
でも彼女の言っていること、それはもっともだと思った。
確かに私はどこかでそう感じていた。思っていた。
前回の事件の時だってそう……
結局犯罪者を殺したのはリヴァイさんで、私は……何も……
拳銃の重みに、命の重みに、
ーー…私は耐えられなかったのだ。
.
「おい聞いてんのかてめぇ」
「まぁまぁイリア、その辺で許してやってーー…「メガネは黙ってろ」
「はい……」
.
「クローンのくせに人間ぶってんじゃねぇ」
「あの残酷非道な"A"様が随分と弱々しくなったもんだな」
「そっくりなのは見た目だけってか」
放心状態となった私に彼女はなおも罵声を浴びせ続ける。
もうやめて、お願い……
必死に涙が溢れそうになるのを抑えていた。
しかしーー…
.
「ハッ、これじゃぁリヴァイさんもがっかりだな」
「っ……!」
.
その言葉に、その棘に、
瞬間、ついに抑えがきかなくなってしまった。
頬を伝い落ちる一筋の涙ーー…
その直後だった。
.
「俺が何だって?」
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れな(プロフ) - ルージュさん» あ!いえいえ!私がサイコパス大好きで参考にさせていただいていることはもう一部の読者様は知ってらっしゃるので大丈夫ですよ!ありがとうございます! (2015年5月6日 14時) (レス) id: 8c15c30622 (このIDを非表示/違反報告)
ルージュ - まるでサイコパスですね。いや違うんです批判とかパクリとか言うつもりは無いんです。ただ気になった箇所が多々ありましたのでコメントさせて頂きました。不快にさせてしまったらごめんなさい。これからの展開に興味はあるので読み進めさせて頂こうと思います。 (2015年5月6日 14時) (レス) id: 44b48b3d39 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» わぁありがとうございます!頑張ります!o(^-^)o (2015年1月19日 19時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - れなさん» イェェェイ!めちゃくちゃ期待してます!!! (2015年1月17日 12時) (レス) id: b9f8c876ca (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» 続々編ではファーランいっぱい出てきますよ!ファーラン良いですよね〜〜〜(笑)ありがとうございます!すごく嬉しいです!o(^-^)o (2015年1月17日 11時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2014年7月31日 19時