18:誰も知らない彼の仮面 ページ21
「ぁ、えと……
ありがとう、ございます……」
「いや、いい。
それよりさっさと服着ろ。風邪引く」
「ぅっ……」
.
そういえばそうでした、と
急いで貸してもらったジャケットを肩に羽織った。
大きくて、ブカブカで……
ちっともサイズが合っていない服。
でもーー…
.
……とても温かかった。
.
「あの、リヴァイさんって……
……どっち、なんですか……?」
「あ"?」
.
訝しげな表情でギロリと見下ろされる。
この冷たい瞳には何度睨まれても慣れないもので……
.
「いや、だから……その……
優しいのか、優しくないのか……、どっちなのかなって……」
.
ハンジさんは言っていた。
『昔のリヴァイは優しかった』ーー…と。
でも私の知っているリヴァイさんはその真逆で、
平気で人を殺すような……、残酷非道な人間だったはずだ。
.
じゃぁ今目の前にいる彼はーー…?
.
そのどちらにも当てはまらない、
まさに中間にいるようなーー…曖昧な、感じ。
.
「ーー…それは、ハンジから聞いたのか?」
「ぇ……あ、はい」
「じゃぁそういうことだ。
昔の俺が優しかったってんなら今は違う。それでいいだろ」
「で、でもっ……」
「しつけぇな。
てめぇはハンジに造られた人形だろ。
人形は人形らしく、黙って言われたこと素直に受け止めときゃいいんだよ」
「っ……!
なんで、そんなっ……
.
そりゃ確かに私はクローンで、"A"じゃないけどっ……
私にだって知る権利ぐらいあるはずですっ……!教えてくださいっ……!」
.
なんで、なんで。
なんで教えてくれないの?
黙って言われたこと受け止めときゃいいって……、なに?
.
それは私が人形だから?
クローンだから?
.
"A"じゃーー…ないから?
.
これほどまでにリヴァイさんの言葉に傷ついた瞬間はあっただろうか。
ポロポロと頬を伝い落ちる涙に構わず必死にリヴァイさんにしがみついた。
彼はただ下唇を強く噛み、頑なに口を閉ざしている。
しかしようやくその口から発せられた言葉ーー…
怒鳴るように、彼はこう言ったのだ。
.
「っ……、その方がお前が楽になれんだよっ……!」
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れな(プロフ) - ルージュさん» あ!いえいえ!私がサイコパス大好きで参考にさせていただいていることはもう一部の読者様は知ってらっしゃるので大丈夫ですよ!ありがとうございます! (2015年5月6日 14時) (レス) id: 8c15c30622 (このIDを非表示/違反報告)
ルージュ - まるでサイコパスですね。いや違うんです批判とかパクリとか言うつもりは無いんです。ただ気になった箇所が多々ありましたのでコメントさせて頂きました。不快にさせてしまったらごめんなさい。これからの展開に興味はあるので読み進めさせて頂こうと思います。 (2015年5月6日 14時) (レス) id: 44b48b3d39 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» わぁありがとうございます!頑張ります!o(^-^)o (2015年1月19日 19時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - れなさん» イェェェイ!めちゃくちゃ期待してます!!! (2015年1月17日 12時) (レス) id: b9f8c876ca (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» 続々編ではファーランいっぱい出てきますよ!ファーラン良いですよね〜〜〜(笑)ありがとうございます!すごく嬉しいです!o(^-^)o (2015年1月17日 11時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2014年7月31日 19時