09:狂った世界 ページ11
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「ま、待ってくださいっ……!
私がリヴァイさんの飼い主って…っ…
まさか前に言ってた"嫌でも仲良くなれる"って、このことじゃないですよねっ……!?」
「え?このことだけど?」
「……」
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平然とした口調でハンジさんはそう言う。
彼女のニコニコと笑う笑顔に、もう断るに断りきれなくなってしまった。
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ハンジさん曰わく、
『飼い主』というのは猟犬という名の犯罪者を逃がさないように縛りつけておく鎖、監視役のことらしい。
それが主に私たち断罪課の仕事であり、あとはすべて猟犬どもに任せておけばいいのだそうだ。
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「ーー…つまり、私は何も手出しをするなと?」
「そうだ」
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ハンジさんとの会話に口を挟んできたのはリヴァイさんだった。
馴れた手つきで拳銃に弾を込めながら、チラリと鋭い眼光をこちらに向けた。
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「お前は俺の鎖だ。黙って見てればいい。
犯罪者を殺すのは俺の仕事だからな」
「っ……!」
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"殺す"。
それが仕事なのだと、彼ははっきりとそう言った。
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何も言い返せなかった。
この世界が狂っていることはもう知っている。
そして彼もまたーー…同じように狂っているのだ。
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救う?助ける?
彼をーー…?
彼に感情なんてはじめからなかったんじゃないか、
そんな風にさえ思えてきた。
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気まずい沈黙を破るように
ハンジさんはパンパンと手を叩いた。
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「さぁさぁ、いつまでもこんなところに突っ立ってないで仕事始めるよ。
狙いは犯人の確保。少しでも抵抗されれば射殺すること。
そして人質の救出だ。いいね?」
「は、はいっ!」
「行くぞ」
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リヴァイさんは待ってましたとばかりに繁華街に向けて駆け出す。
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その時、一瞬だけ、
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彼の口角が上がっていたように見えたのはーー…
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気のせいだろうか。
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れな(プロフ) - ルージュさん» あ!いえいえ!私がサイコパス大好きで参考にさせていただいていることはもう一部の読者様は知ってらっしゃるので大丈夫ですよ!ありがとうございます! (2015年5月6日 14時) (レス) id: 8c15c30622 (このIDを非表示/違反報告)
ルージュ - まるでサイコパスですね。いや違うんです批判とかパクリとか言うつもりは無いんです。ただ気になった箇所が多々ありましたのでコメントさせて頂きました。不快にさせてしまったらごめんなさい。これからの展開に興味はあるので読み進めさせて頂こうと思います。 (2015年5月6日 14時) (レス) id: 44b48b3d39 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» わぁありがとうございます!頑張ります!o(^-^)o (2015年1月19日 19時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - れなさん» イェェェイ!めちゃくちゃ期待してます!!! (2015年1月17日 12時) (レス) id: b9f8c876ca (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» 続々編ではファーランいっぱい出てきますよ!ファーラン良いですよね〜〜〜(笑)ありがとうございます!すごく嬉しいです!o(^-^)o (2015年1月17日 11時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2014年7月31日 19時