00:ゼロの真実 ページ1
「そこまでだ、ゼロ」
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暗く閉ざされた路地裏に
ゼロと呼ばれた男を追い詰める、二人の警察官。
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廃棄されたゴミの生臭さが辺りを漂う。
潔癖症の男にとってはできることなら早く終えたい、酷な残業でしかなかった。
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「ーー…っつうわけだから、さっさと大人しく殺されてくれねぇか。ゼロ」
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まるで氷のように冷ややかな瞳。
悲嘆に満ちたゼロの表情が、はっきりと反射されていた。
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「ーー…リヴァイ、やめて」
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背後から聞こえた鋭い声。
その男ーーリヴァイの同僚であるAだった。
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「……んだよ、邪魔すんなよ」
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チッ、と舌打ちをしたリヴァイはゆっくりと振り返り
よりいっそう不機嫌になった顔つきでAを睨みつけた。
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「……お願い、殺さないで」
「俺に目の前の獲物を見過ごせと?」
「……」
「ハッ……
てめぇ、それでも警察断罪課かよ?」
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何度こうしてリヴァイにバカにされてきたことだろう。
彼は冷たすぎるぐらいに冷酷で、残酷で、
だからこそこの仕事をこなしていけるのかもしれない。
このーー…人を殺すための仕事を。
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「いいか?俺たち断罪課っつうのはなーー…」
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カチャリ、と銃の音。
ゼロに銃口を向けるリヴァイがいた。
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「……こういう"ゴミ"どもの処分をすることだ」
「リヴァイっ……!!!」
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このまま放っておけば
彼はまた、人を殺してしまう。
たとえ相手が犯罪者とはいえ
そんなことーー…絶対にさせるものか。
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「……あ"?
……んだてめぇ、俺を殺るのか?」
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それは予想外の出来事だった。
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何故ならその見開いた視線の先には
己に向かって銃口を向けるーー…Aの姿があったのだから。
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「……今すぐ銃を下ろして」
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もちろん、それはAにとってただの脅しにすぎなかった。
このまま大人しくリヴァイが銃を下ろしてくれればーー…
ただ、そう切に願って。
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けれどリヴァイは
ゆっくりと振り向き、笑った。
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まるでその状況を楽しんでいるかのように
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「悪いな」
ーー…そう、言って。
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「っーー…!!!
や…っ…
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やめてぇえ"ぇぇえ"ぇぇぇっっっ!!!!!」
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バンッーー…と、
どちらのものか分からない鉛玉の音が
再度、新月の夜に鳴り響いた。
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れな(プロフ) - ルージュさん» あ!いえいえ!私がサイコパス大好きで参考にさせていただいていることはもう一部の読者様は知ってらっしゃるので大丈夫ですよ!ありがとうございます! (2015年5月6日 14時) (レス) id: 8c15c30622 (このIDを非表示/違反報告)
ルージュ - まるでサイコパスですね。いや違うんです批判とかパクリとか言うつもりは無いんです。ただ気になった箇所が多々ありましたのでコメントさせて頂きました。不快にさせてしまったらごめんなさい。これからの展開に興味はあるので読み進めさせて頂こうと思います。 (2015年5月6日 14時) (レス) id: 44b48b3d39 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» わぁありがとうございます!頑張ります!o(^-^)o (2015年1月19日 19時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - れなさん» イェェェイ!めちゃくちゃ期待してます!!! (2015年1月17日 12時) (レス) id: b9f8c876ca (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ハクさん» 続々編ではファーランいっぱい出てきますよ!ファーラン良いですよね〜〜〜(笑)ありがとうございます!すごく嬉しいです!o(^-^)o (2015年1月17日 11時) (携帯から) (レス) id: be7b7d22ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2014年7月31日 19時