君との温度差 part3【黄瀬 涼太】

温度差…94 ページ5

「……そういえば」




廊下を大分進んだところで、ふと思い出す。



私、新入生代表挨拶、頼まれてるんだった。


確か職員室に来てーって言われていた気がする様な、



……しないような？




まぁ、取り敢えず行ってみるかと、踵を返した。






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……ありえないんですけど。




ホントーっにありえないんですけど。




……あんのてっぺんハゲジャージ野郎め。




緊張と怒りから、口調が荒くなっているが、そんなことはもう問題ではない。




今、私が居るのは舞台袖。




あのてっぺん…(以下略)に紙を渡されたかと思うと、ここに連れてこられた。




いやいや、意味わかんないし。




生徒続々と集まり出してるし。

だんだんと多くなる人に、心臓が口から出てきそうだった。





内容なんて頭に入ってこないし。練習してないし。





……ま、まぁなんとか…なる、かな…？





なんて思ってもいないことを心の中で思ってみるが、やっぱりどうにかなる気がしない。



そう考えている間にも、時間は過ぎていたようで。





『それでは、新入生代表挨拶です』





そんな声が聞こえ、手に人と書いて飲み込んでから、重い足を動かした。





……視界に移ったのは、眩しいくらいの黄色だった。

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