君との温度差 part3【黄瀬 涼太】

温度差…102 赤司side ページ14

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「……はぁ…」




埃っぽい空き教室で、スマホのディスプレイを睨みつける様に見て、これで何度目か分からない溜息をつく。


スマホを乱暴にポケットに入れて、肌蹴たワイシャツのボタンを留める。



服装を整え終わって、空き教室の扉まで歩いて行くと、ふと後ろから声が聞こえた。





「…あら、もう行くの？」




俺と同じように肌蹴たワイシャツのボタンを留めながら、冴島 芽衣が流し目で俺に視線を向ける。





「………」




無言で立ち止まった俺が面白かったのか、冴島はクスリと妖しげな笑みを漏らした。




「……あの子が…Aが、こんなこと知ったら、どう思うのかな？」




こちらに歩み寄ってきて俺に顔を近づけた冴島は、赤い唇を弧に描いて歪に微笑んだ。




「悲しむかな？泣くかな？怒るかな？傷つくかな？」




ぐるぐると俺の周りを周りながら愉快そうに顔を歪める冴島は、もう狂っているとしか言えない。






「………それとも、なぁーんにも、感じないのかな？」

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