キド「お前は私たちを嫌わないのか？」セト「僕らは、ほかの子と違うのに」カノ「それでも、そばにいてくれる？」あ「いるよ。嫌だって君達が思わない限り」 (ページ9)

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あ「キド喜んでくれるかな～///」

手に持った華冠を眺めて私はニヤついていた

さっきいろんなところで見つけた花をつなぎ合わせて冠を作ってみた
昔母さんに教えてもらったから、結構綺麗にできたほうだと思う

施設の中に入ってキドのいる１０７の部屋を探す

あ「確か、一番奥の部屋って皆言ってたっけ？」

タッタッタっと少し早歩きで奥の部屋に向かう
しばらくして、トイレのすぐ近くにドアが見えてきた

だけど、そのドアをみた瞬間体が凍った

あ「・・・」

ドアに貼り付けられていたのは、一面に化物とか出てけとか書いてある紙

あまりにひどい現状に、もっていた華冠を落としてしまった

あ「・・・こんなの、あんまりじゃん」

ゆっくりと近づいて、一枚一枚その張り紙を剥がしていく

あ「・・・っなんで先生もほったらかしてるの・・・・」

そういえば、キドも言ってたっけ

あの赤い目を見たとき「お前はどうして私を避けないのか」って

ここに来る前も、私はよくこんな張り紙を家の前に貼られた

ー虐待！！ー

ーさっさと死んじまえ！！そして、子供を解放しろー

そんなものを近所の人が貼って、私は母さんと居られなくなった
誰も頼んでもいないのに、正義ぶった大人たちが勝手なことをして私は・・・

あ「・・・」

最後の一枚を剥がして近くにあったゴミ箱に捨てた

余計なこと、思い出しちゃったな・・・

キド「・・・っお前・・・」

ガチャりとドアを開いたのは、キドだった

私が捨てた張り紙を見て驚いたような顔で私を見つめていた

あ「あ、キド！！ちょうどよかった、これあげようと思ってきたんだ！！」

さっきまでのことをなかったように私はニコリと笑った

キド「・・・これ」

あ「昨日は、色々と嫌な思いさせちゃったから。それに、色々と強引なことしてごめんね。でも、やっぱり私キドと友達になりたくて！！」

バッと差し出した冠と私を交互に見て、キドは華冠を受け取ってくれた

それだけで、私は舞い上がるような気持ちになった