キド「お前は私たちを嫌わないのか？」セト「僕らは、ほかの子と違うのに」カノ「それでも、そばにいてくれる？」あ「いるよ。嫌だって君達が思わない限り」 (ページ5)

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[キドside]

知らない子に引っ張られて外に来た

ちょっと肌寒い外の風に小さくくしゃみをする

あ「涼しいね！！」

キド「・・・はっくしゅん・・・お前、おかしいよ」

あ「ええ？君は寒がりなの？」

キド「ち、違うし」

さっきから、何なんだろう
私のこと、避けようともしないし・・・

この目、見ても逃げようともしない

あ「ねえ、どうして泣いてたの？何か嫌なことされた？」

キド「別に、関係ないでしょ」

あ「関係はないかもしれないけど、私が気になるから」

キド「・・・別になんでもないし」

そっけない態度をとると、そいつは二カッと笑った

あ「言いたくないか。そりゃそうだよね、まだ知り合ってちょこっとだし」

キド「・・・」

あ「でも、君の目は不思議な目だね。さっき真っ赤だったのに、今は違う目だね」

キド「・・・気持ち悪いって、思ったんでしょ・・・？」

あ「気持ち悪いとは思ってないけど、太陽みたいに真っ赤だなあって思った」

キド「太陽？」

あ「うん。太陽って、キラキラしててまっかっかでしょ？それに暖かい。君の目、キラキラしてるから綺麗だから好きだなあって思ってる」

・・・何それ

そんなこと、言われたことないよ

あ「どうしたの？」

キド「・・・」

この目が綺麗だって

そんなの、言われたことない・・・

キド「・・・なんで、そんなこと言うの」

あ「え？」

キド「みんな、こんな目嫌ったのに・・・なんで・・・好きなんて・・・」

初めて言われた言葉が嬉しすぎて、涙がさっきより溢れてきた

あ「その目は、嫌い？」

キド「・・・」

あ「私は好きだよ？その赤い目。かっこいいからね。でも、君は嫌いなの？」

キド「・・・嫌いだ」

あ「そっか、でもいつかきっと好きになる。誰かがそう思っている限り、きっと」

キド「誰かって、誰がこの目を好きって思っていてくれるの・・・」

あ「私が思ってる。だから、嫌いにならないで？」

そいつのあまりにもまっすぐな目に、私の心は溶けていった