月恋 第35話 「虚無感に襲われる」 ページ36
そして私がツキウタ。の宣伝アイドルとしてデビューを果たし、幾日か経った。
まだ特定の友人が出来た訳では無いが、学校生活にも、ツキノ寮の生活にも大分慣れてきた日曜日の或る日のこと。
「あーあー!」
ボフンッと私は背中から勢いよく自室のベットに倒れ込んだ。
ベットに体が沈むと同時に、言い表し様の無い虚無感に襲われた。
「ひまだ」
そう、私は暇なのである。
学校から出された課題は全て昨日のうちに終わらせた。折角の休日だと言うのに、遊ぶ友達も此処には居ない。いまだにコヨミラジオ以外の仕事は無く、当然の如く先輩アイドルであるグラビやプロセラの皆さんだけ忙しそうにしている。
黒月さんは「コヨミラジオの評判はまあまあ良いし、後は歌さえ出してしまえばそのうち仕事も少しずつ入ってくる様になるだろう」と苦笑い半分ではあるものの、そう言っていた。
ツキウタ。宣伝アイドルのオーディションに受かった事だけでも奇跡みたいなもの。自分の雀の涙程度しかない運を使い果たした気もするが、まあなんとかなるだろう。と私は至って楽観的。
「だいじょーぶだいじょーぶ!」
沈みかけていた気分を上げようと、声に出して自分を安心させる。
元々、堅苦しい考えを持つ父に育てられ、中学を卒業したら当たり前の様に良い高校へ入り、当たり前の様に良い大学へ入り、そして当たり前の様に公務員となる予定だったのだ。
まさか、愛さんを追いかけて自分がアイドルデビューするとは想定外過ぎて開いた口が塞がらない。オーディションを受けに行った自分の後先考え無い行動力に、今更ビックリしている自分が居る。
だが、親の敷いたレールをただひたすら歩くのではなく、それにちょっと反抗してみるのも悪くない。
「別にアイドルを目指してた訳じゃないんだけどなー………ま、なんとかなるでしょ」
――――――この楽観的で遊び半分、芸能界否、人生と言うものを舐めてるとしか思えない考え方が、これからの私を悩ませる事になるのであった。
月恋 第36話 「何気無い質問」→←月恋 第34話 「白い靴下」
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櫻餅(プロフ) - snowさん» コメント有り難う御座います。少しでも共感して頂けて、大変嬉しく思います。これからツキウタ。メンバーと関わり、夢主がどんどん成長出来るお話にしていきたいと思っておりますので最後までこのお話にお付き合い願えたら嬉しいです。応援有り難う御座います！ (2017年12月21日 19時) (
レス) id: 5dfdc31c69 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんにちわ♪最新話読みました。ちょっと、自分のことみたいにホロリとしました。ヒロインちゃんが無事に乗り越えてくれると信じてます。目標が早く見つかること、祈ってます。頑張って下さい！ (2017年12月20日 14時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 櫻餅さん» 待ってます。急激に寒くなりましたので、風邪など引かないように気を付けてください。 (2017年10月7日 1時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！不定期更新ですが、頑張ります。 (2017年10月7日 0時) (レス) id: aab212b765 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 初めまして♪楽しく拝見させて頂きました。愛ちゃんへの愛が溢れていて、素敵でした。更新、楽しみにしてます。これからも頑張って下さい!! (2017年10月6日 9時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年9月19日 0時
