ウラオモテカノジョ〜あざとい女の子はきらいですか？〜【1】

公園のベンチ爆睡事件2 ページ19

公園のベンチ爆睡事件について。

相当ご立腹である久野ちゃんによって事務所に連絡がいき、社長にもマネージャーにもしこたま叱られた。それだけならまだしも、マネージャーから私の保護者的存在である鈴村夫婦にまで話が伝わってしまい、それはもう怒られたのなんの。

休みの日にお二人の家に呼び出されて、鈴村さんと真綾さんから淡々とお説教を受けたのである。

「あまり無理しないこと、約束できる？」

真綾さんに、何かあったら必ず連絡するようにと口酸っぱく言われて。

「Aちゃんに何かあったら、俺らだけやなくて、みんな悲しむからな？それだけは分かっといてな？」

鈴村さんからは一緒に住むことを提案されたのだが、流石にお二人の大切な空間にお邪魔することは出来ないと丁重にお断りさせていただいた。

そして色んな方に心配をかけてしまったと、反省した数日後のことである。

「お前、公園のベンチで爆睡したってまじ？」

収録日が重なった梅原さんが隣に座ってきて早々、そんなことをまあまあな声量で尋ねてきたものだから、その場にいた共演者の視線が一気に此方へと集中してしまった。

あれ？公園のベンチ爆睡事件のことを知っているのは確か、久野ちゃんとうちの事務所の社長とマネージャー、それから鈴村夫妻と榎木くんだけのはず。

何処からそんな情報が漏れたのだろうかと首を傾げる。

「淳弥から聞いた」

えーのーきーくーーーん！！！君ってやつは！なんで、梅原さんに言っちゃうの！絶対にからかわれるじゃん！

酔っぱらったときに、ついうっかり喋ってしまったらしい榎木くんを少しだけ恨んだ。

「Aちゃん、それほんとう？」
「今度から現場一緒になったときは、家まで送ろうか？」

話を聞いていたらしい早見 沙織さんと福山 潤さんも集まってきてしまい、冷や汗だらだら。しかも、今日の梅原さんは何だかご機嫌斜めのようで怖い。

「だ、大丈夫です。ちょっと疲れてただけなので……今度からはちゃんと気を付けます。ご心配、ありがとうございます」

ぎこちない笑顔を作って答える。

「困ったことがあれば、いつでも言ってね？」
「どんなことでも力になるからね！」
「ありがとうございます」

いつも私を気にかけてくれる優しいお二人にお礼を述べて、頭を深々と下げた。

「気を付けろよ」

その後、私に対して鋭い視線を送りまくっていた梅原さんからも不機嫌なまま注意され、何故か頭をがしがし雑に撫でられたのであった。

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