イロコイ・ライン 5th【ars K.N】 (ページ20)

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180.仲良し。ページ20

「あの...お2人はお友達なんですか？」

何となく気になって訊いてみる。

「あ、私とまーくんはイトコなんです。お母さん同士が姉妹で」

若林さんが答えてくれた。
言われてみれば、笑った時の雰囲気が似てる。
向日葵系の笑顔。

「仲良しなんですね」
「赤ちゃんの頃から側に居るってだけですよ！他人だったら友達にはならないです、うるさいし」

ケラっと若林さんが笑うから、私もつられて笑う。

その間も、先生と相葉くんは何か言い合ってて

先生が教師の顔になってて、あぁ、懐かしい顔...って思ったらそれはそれで胸キュンしちゃって。

それから何となく4人でお茶しながら喋って。

「まさか二宮先生が教え子と恋に堕ちるなんて、想像も出来なかったよ？先生、やるねー！」

若林さんにそんな風に言われた先生は、うーん...と少し考えるように唇を尖らせる。

「たまたまだよ。たまたま、好きになった子が教え子だったってだけ」

その言葉に平気な顔をしてたのは、発言した本人だけで

私はもちろん嬉しいやら恥ずかしいやらでアワアワしてるし、相葉くんと若林さんはお互いをバンバン叩き合って「ヤバイー！萌えるー！」って興奮してるし。

隣に座る先生を見る。
すぐに降りてくる、鳶色の視線。

「どした？」

ううん、と首を振ると

先生はフッと笑って、私の頬を親指で撫でた。

「髪の毛、ついてる」
「あっ...ありがと...」

ドキドキしてやっぱり心臓が悲鳴を上げてる私。
そして、この一連を見てギャー！って騒いでる相葉くんと若林さん。

「ニ...ニノちゃんのあんな顔、俺、初めましてだよ...」
「ヤバイ...あの顔を学校でやってたら、女子みんな即死だったよ...」
「猥褻物陳列罪...」
「まーくん、それちょっと違う...」

「うるせぇなぁ、お前ら！」って、先生が面白そうに笑った。

その帰り道。

車の中で、先生は「何で相葉にメアド教えたの？」って私を見ず訊いてきた。

「あ...ちょっと用があって...」

すだちの動画送って貰った...ってのは、何か言い辛い。

「ふーん。オレには言えない事か」
「え？」
「別に良いけど」
「え...先生...？」
「あー、相葉相手に嫉妬する日が来ると思わなかったわ」

...嘘...！先生が嫉妬！？
どうしよう、嬉しくて震える。

「先生」
「何よ」
「相葉くんに先生の事を教えて貰う為...だったの」

先生が「え？」って、横目で私を見て

お前...って照れ臭そうに笑って、左手でグシャグシャ私の頭を撫でた。