貧乏でウエディングドレスS【瀬名泉】

貧乏50 ページ5

瀬名side


［好きな人と目があった時って、ああ生きててよかったって嬉しくなる。この世界が大好きになる。大好きだなぁ、いつかは目だけじゃなくてもっと近くに寄り添いたい］


［私と好きな彼は高校時代の同級生！高校時代は苦手な人種だったけど関わっているうちにどんどん好きになっていったなぁ。かっこいいし優しいし、辛い時は寄り添ってくれる。大好きな人だ］


［今日テレビでウエディングの特集やってた！めっちゃ花嫁綺麗！私も花嫁になりたいなぁ。私もこの恋が叶ったらあいつと一緒に純白の正装身にまとって誓いを…なーんてね］


［会う予定なんか全くなかったのにたまたま現場で遭遇！運が良いね！今年は小吉でした〜恋愛運は皆無、なんか新年から落ち込ませてくる毘沙門天さんでした！ん？現場って何って？警察じゃないよ〜！］


［今日告白されました！きゃー！ネックレスまで貰っちゃったよ！一生つける！首から離さない！もちろん答えはオッケーだよ！叶った！叶った！フォロワーさんいつの間にか一万人超え…いつも応援ありがとう！叶ったよ！］


［私はあいつの性格も顔も指先も優しい歌声も体つきも全てが大好きだけどあいつは私のどこが好きなのかな？今度聞いてもいいかな？いや、聞くのは恥ずかしいから友達に聞いてもらおう！ってことで聞いてもらったら答えは全部だって！最高すぎる！］



もっと早く、君に気持ちを伝えていたら。



もっと早く気持ちを知っていたら。







「だーかーらー、家から出てって！別に遊びだったって言ってるの。どんだけ理解力ないわけぇ？ちょーうざい」

『………何か理由があるんでしょ？ねぇ、泉、大丈…』

「名前、もう呼ばなくてもいいから」


ツーツーツー。


ライブの15分前。
俺はAに電話をした。

絶縁の紐を司る、絶望の旋律を。


嘘でも言いたくなかった。遊びなんて言葉、言いたくなかった。





「あとはAの洞察力と、レオくん次第………俺にできるところはここまで」


こっちだって証拠は出揃ってる。顔を洗って待ってなよ沖屋。

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