双子になって九十五日目。 ページ7
俺の胃の方も大方治ってきた頃、家にある物が届いた。
大きめの封筒に入った何か。
通販で何か頼んだ覚えもなくその差出人を見てみるとまさかの牛島だった。
「牛島からの贈り物...？？？」
奇妙に思いながらもその封を開けてみるとそこには東京までの往復切符と春高の観戦チケットがそれぞれ五枚と、多分牛島からだろうと思われる手紙が入っていた。
中に入ってるものから手紙の内容を何となく察してしまったがとりあえず読んでみる。
【怜羅へ、
監督から病気が治ったことを聞いた。
言う機会が無かったが、退院、全快おめでとう。
春高、考えてくれただろうか。
同封してある切符とチケット良かったら使ってくれ。
牛島若利より。】
手紙の内容を見てそう言えば入院してた頃に春高に来いとか言われたなぁ。と思い出す。
五枚入っているのは徹達も一緒に連れて来いという暗示なのだろうか。
せっかくチケットを貰ったんだ。観戦するのも好きだし何より他県の強豪を見て勉強になるかもしれない。
そうと決まればと、俺はすぐに徹の部屋に向かった。
「徹〜、入るぞー」
「うぇっ！？怜羅！急にどうした？」
俺が扉を開けると驚いたようにパソコンを閉じ目をこちらに向ける徹。
何か変なものでも見ていたのだろうか。
焦っている徹を置いておいて俺は本題に移る
「牛島からチケット送られてきたから春高観にいかね？」
「....ちょっと待って...？？？チケット貰うほど仲良かったの？？？」
俺が急に言ったからか困惑しまくる徹。
面白いなこれ。
「いや、お見舞いに来てくれた時に春高来いって言われて、今の今まで忘れてたら今日ここに届いてた。」
「勝手に送り付けたってこと？」
「表現の仕方は悪いけどそゆこと。」
「はあああぁ、牛若ちゃんらしー。
...で、ペアチケットなの？」
「いや、新幹線の切符と観戦チケット両方五枚ずつ入ってた。」
「...は、はあああぁ！？！？あいつどんだけ金持ちなの！？
観戦チケット1000円するよ！？てか交通費も入ってるのかよ！！！こわ！！！！」
両手で自分の体を抱きしめて大袈裟に驚く徹。
「で、行くの？行かないの？
俺は徹が行かないなら行かない。」
「行くよ！！！敵に塩送ったこと後悔させてやる！！！！」
そう言って徹は岩泉達に連絡しトントン拍子で予定が決まった。
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
