STORY 35 ページ36
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ー部室ー
「あれ、これって…」
日向先輩が古い月バスを読みながら何か呟く
「この号、黒子と白姫姉妹が帝光にいた頃のじゃん?」
そう言う先輩の手元を覗くと、懐かしい私たちの姿があった。
「おー、一人一人特集組まれてるよ
《キセキの世代》と《キセキの姫君》…やっぱり有名なんだな」
あんまり嬉しくないけど…。
でも確かその号って…
「黒子の記事ねーな、幻の6人目なのに」
日向先輩が首を傾げると、テツヤはなんとも言えない顔で
「来たけど忘れられました」
と言った。
そうそう、可哀想だなぁって思ってたけど部活が違くて特に気にしなかったな
「それにそもそも、ボクなんかと7人は全然違います。 白姫さん達を含めた7人は本物の天才ですから」
天才…、その言葉に反応する。
「やめてよ…私も違うから、私は凡人なんだから」
私のこの雰囲気を察したのか途端に静かになる部室。
申し訳なくなって部屋を出ようとする
すると、日向先輩が口を開く。
「Aの特集……。
《キセキの姫君》、秀才の妹…A
その実力は止まる事を知らず常に成長を続けている。
女子とは思えない脚力を持ち、試合中、常に走り続けられる程の体力、その容姿からは想像も出来ない徹底したアメリカ仕込みの野生のスタイルが特徴。」
「型の無い早撃ちシュートを得意とし、そのシュートの実力はあの青峰大輝や緑間真太郎をものともしない。」
そこまで言うと先輩は私をジッとみる
その威圧感に少し足を下げる
「な、なんですか。私の特集なんて読んだってつまらないでしょう」
先輩に向ける言葉にしては少し反抗的だったかもしれない。
でも今の私には先輩に言葉を選ぶことなんて出来なかった。
「…………ホ…」
「え?」
先輩が何かを言ったが声が小さくて聞こえなかった。
「だぁかぁらぁっ!!! ダァホっつてんだ!!! この…だアホ!!!」
え? え?
いきなり変わった日向先輩に戸惑う
「こんなすげぇベタ褒めの特集されといて何が凡人だよっ!」
「特集は…、勝手に編集されただけで実際そこまですごくないですし…」
日向先輩に凄まれ少し俯きながら呟く
「いいか、お前は自分の事を凡人だの秀才だの言ってるけどな、世の中にゃ秀才にすらなれねぇ凡人が山ほどいんだよ!」
そう捨て台詞を吐いて練習に戻っていった先輩。
そんな事…、私だって分かってる…
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れーね(プロフ) - ころさん» あああありがとうございますっ! これからも頑張りますねっ♪ (2014年2月10日 19時) (レス) id: a8ee3e0c57 (このIDを非表示/違反報告)
ころ - 面白いです! 続き頑張ってください! (2014年2月10日 19時) (レス) id: 462f952e5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音央 | 作成日時:2013年12月23日 12時