太陽と月と紅い星 2 (ページ30)

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70話ページ30

結果的に、返礼祭は大成功。
卒業生、在校生ともにお互いの心の内を明かすことができたと思う。

『なずなさん』

なずな「んー？」

『卒業しても会えます？』

なずな「会えると思うぞ。だって活動自粛だし、AだってRa*bitsの専属になるから仕事量も減るだろ？」

そう。私は今度の春からRa*bitsの専属プロデューサーになる。それは、なずなさんのスケジュールを把握できるし、お互いの近況も報告し合えるから。

なずな「………寂しい？」

『まぁ、そうですね。両親もほとんど仕事で海外ですし』

なずな「そうじゃなくて、おれと会えなくなるの、寂しい？」

『当たり前のこと聞かないでください』

なずな「ごめんごめん。おれだって出来ることなら毎日傍にいたいけどさ」

出会ってまだ一年もたたないのに、こんなにも大きな存在になっていた彼。前の学校とは大違いだ。

なずな「もう、卒業するのか」

『はやかったですか？』

なずな「Aに出会ってからは、とてつもなく早く感じたよ」

『そう、ですか』

なずな「あ、そうだ」

『なんですか？』

なずな「卒業式が終わった後にさ、大事な話があるから待っててくれる？」

『わかりました』

彼が卒業するまで、あと少し。