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「え…グレイだよな?なんだその喋り方は?どっかに頭ぶつけたのか?」


ナツさんが頭にハテナを浮かべている。
すると、落ちた食材を拾い終えたグレイさん(?)も頭にハテナを浮かべた。


「グレイ?誰のことよそれ?というかどなたかと間違えてへんか?」

「別人…ということでしょうか?」

「だと思うよ。多分そのグレイって言う人とはちゃうよ?」


私の問いにもちゃんと答えてくれるので、悪い人ではなさそうだった。


「どう見てもグレイにしか見えないんだけどなぁ…」

「でもナツ、前にエルザが言ってたよ、『世の中には自分とそっくりな人が3人はいる』って」


納得し難いような表情のナツさんを、ハッピーが説得すると、ナツさんも「そっか、そういうもんか」とあっさり納得したようだった。
ナツさんが手を差し出す。



「悪かったな、えっと…」

「クレイグや。クレイグ・バルトシュ。これでも"Rest of the butterfly"のコックやらせてもらっとるんよ。気軽にクレイグって呼んでくれ」


そう言ってクレイグさんはナツさんの手を取った。意外とフレンドリーな性格のようだ。
そういえば"Rest of the butterfly"って…あれ?


「それって、私達が依頼で行こうとしてた所じゃないですか?」

「おお、そうなのか!ということは今回の依頼でうちに来るって言うとったのは君たちの事やったのか!」


嬉々とした様子のクレイグさん。


「なら早速店まで案内してあげんで。良かったら君たちの名前を教えて欲しいな」



〜一方その頃〜 ールーシィSideー


「エルザ、本当にここで合ってるの?」

「ああ。間違いない。」



グレイと途中で合流したあたし達がたどり着いたのは、マグノリアの町並みの中、一つだけ違和感を放っていた建物だった。
確かに、異国のレストランというだけあって、建物の構造も違うのだろう。
グレイがそのドアの取っ手に手を掛ける。



「邪魔するぜ…お!?」

「どうしたの…え!?」

「ルーシィもグレイも固まってどうした…ん!?」



あたし達が3人揃って固まった理由…それはドアの向こうにあった。
そこには、客達が驚いている中、散乱した料理の中からむくりと起き上がった人物が一人。


「痛っ…あたしには料理は無理やな。やっぱりクレイグがおらんとあかん」


そこにいたのは、どう見てもエルザとしか思えない人物が、東洋の”キモノ”と呼ばれる服装をまとった姿だった。

エルザど彼女が同時に言った。



「「私/あたしが…二人?」」

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作者名:れーな | 作成日時:2014年7月20日 23時

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