1-5 ページ7
ギルドを出て、依頼書の地図を頼りにレストランに向かう途中、私達はある人物と出会うのだった。
………
……
…
賑やかな街の通り、人が多いその中を、私、シャルル、ナツさん、ハッピーの四人は進んでいた。
「えっと…”最近開店したばかりで忙しい私達の店を手伝って下さい!”…ですか、とっても楽しそうな仕事ですね、ナツさん!」
「だろ?今回はハッピーに選んでもらったんだ」
「あい!おいらが選んだんだよ!」
「へえ…この店、"Rest of the butterfly"っていうのね」
シャルルも、依頼書を興味津々に見るあたり、少し楽しみらしい。
和気あいあいと更に進んで行くと、人混みの中に見慣れた人影を見つけた。
「お?あれグレイじゃねぇか?」
「みたいですね」
ナツさんも見つけたようで、「おーい!」と声を上げた。
しかし、グレイさんは一向に気づいていない。恐らく、何か探し物をするように、あちらこちらへキョロキョロしているからだろう。
何を探しているのだろうか。
ふと、私はシャルルの方を向く。
「あれ…シャルル?どうしたの、顔色悪いよ?」
「…蝶…血…グレイ…フードの…誰…?」
シャルルは私の言葉が聞こえていないようで、虚ろな瞳を揺らしながら何かをうわごとのように呟いていた。
「シャルル?」
「…っ、ああ、何でもないわ」
ぱっと驚いた様子で顔を上げたシャルル。うっすら汗が伝っていた。
………まさか、予知夢?
「シャルル、もしかして…」
「うおーい!聞こえねぇのか変態氷野郎ー!」
私の声はナツさんの怒号にかき消されてしまう。そして、ナツさんにハッピーがなだめるように言った。
「ナツ、絶対聞こえてないって、というか落ち着いて!」
「だーっ!無視しやがって!」
ナツさんの怒りは段々とヒートアップして行く。流石にこの声で気付かないはずないと思うんだけど…。
すると、ついに痺れを切らしたのか、ダッ、とナツさんが駆け出した。
そしてナツさんがグレイさんの胸倉を掴んだ。
「おい、グレイ!無視すんなって…」
「うわ、いきなって何するんだよ!食材が落ちちゃったやないか!」
「何言ってんだよ、オレはずっとお前を呼んでたんだ…って、え?」
ナツさんが泡を食ったような顔をする。
何か違うと思ったのだろう。現に私も、私の隣のシャルルとハッピーも驚いている。
「え?ではおまへんやろ。というか君達だれなん?」
彼は落ちた食材を集めながら、そう言ったのだった。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れーな | 作成日時:2014年7月20日 23時