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ギルドを出て、依頼書の地図を頼りにレストランに向かう途中、私達はある人物と出会うのだった。


………
……




賑やかな街の通り、人が多いその中を、私、シャルル、ナツさん、ハッピーの四人は進んでいた。


「えっと…”最近開店したばかりで忙しい私達の店を手伝って下さい!”…ですか、とっても楽しそうな仕事ですね、ナツさん!」

「だろ?今回はハッピーに選んでもらったんだ」

「あい!おいらが選んだんだよ!」

「へえ…この店、"Rest of the butterfly"っていうのね」


シャルルも、依頼書を興味津々に見るあたり、少し楽しみらしい。

和気あいあいと更に進んで行くと、人混みの中に見慣れた人影を見つけた。


「お?あれグレイじゃねぇか?」

「みたいですね」


ナツさんも見つけたようで、「おーい!」と声を上げた。
しかし、グレイさんは一向に気づいていない。恐らく、何か探し物をするように、あちらこちらへキョロキョロしているからだろう。

何を探しているのだろうか。

ふと、私はシャルルの方を向く。


「あれ…シャルル?どうしたの、顔色悪いよ?」

「…蝶…血…グレイ…フードの…誰…?」


シャルルは私の言葉が聞こえていないようで、虚ろな瞳を揺らしながら何かをうわごとのように呟いていた。


「シャルル?」

「…っ、ああ、何でもないわ」


ぱっと驚いた様子で顔を上げたシャルル。うっすら汗が伝っていた。

………まさか、予知夢?


「シャルル、もしかして…」

「うおーい!聞こえねぇのか変態氷野郎ー!」


私の声はナツさんの怒号にかき消されてしまう。そして、ナツさんにハッピーがなだめるように言った。


「ナツ、絶対聞こえてないって、というか落ち着いて!」

「だーっ!無視しやがって!」


ナツさんの怒りは段々とヒートアップして行く。流石にこの声で気付かないはずないと思うんだけど…。

すると、ついに痺れを切らしたのか、ダッ、とナツさんが駆け出した。
そしてナツさんがグレイさんの胸倉を掴んだ。


「おい、グレイ!無視すんなって…」

「うわ、いきなって何するんだよ!食材が落ちちゃったやないか!」

「何言ってんだよ、オレはずっとお前を呼んでたんだ…って、え?」


ナツさんが泡を食ったような顔をする。
何か違うと思ったのだろう。現に私も、私の隣のシャルルとハッピーも驚いている。


「え?ではおまへんやろ。というか君達だれなん?」


彼は落ちた食材を集めながら、そう言ったのだった。

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作者名:れーな | 作成日時:2014年7月20日 23時

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