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〜一方その頃〜

「ウェンディ、そろそろ決めなさいよ?」

「どうしようかな…」

「全く、優柔不断も過ぎるわよ」


私の身長よりも大きい依頼板(リクエストボード)。それにはいくつかの依頼書が貼られていた。
7年が過ぎて、弱小ギルドとなった”妖精の尻尾”。しかし、依頼書が減ったといえど、0な訳では無かった。
私はその中から、先程から隣にいるシャルルと共に今日の仕事を探しているのだ。

先程から催促をしている(気が短いよー)シャルルが、ため息を漏らす。


「これじゃ、日が暮れそうだわ」

「うぅ、ごめんなさい…」


すると、カウンターから優しげな声が掛かった。


「あら、ルーシィも今日似たようなことになってたわね、ふふふ」

「あっ、ミラさん!そうなんですか?」

「ええ。いい仕事がない〜って嘆いてたんだけど…」

「ど?」


シャルルが私の肩に乗りつつ、尋ねる。


「エルザにレストランが何とかって、連れて行かれちゃったわ。今日は仕事できなさそうね」

「あはは…」

「エルザらしいと言えばらしいのかしら」


ええそうね、エルザさんですもんね、と話が弾んでいると、今度は後ろから元気な声が掛かった。


「ん?レストランの仕事なら、今から行くぞ?一緒に行くか?」

「あっ、シャルルー!」

「ナツさん!」

「ハッピー!」


声の主は、ナツさんとハッピー。
ナツさんは依頼書の紙をひらひらさせながら、無邪気な笑顔を見せていた。
ハッピーの方は、シャルルを見つけてはしゃいでいるようだ。


「一緒に…って、大丈夫なんですか?」

「全然!人数が多い方が楽しいだろ?」

「そうですかね…」


それに、とナツさんが続ける。


「仲間と一緒に行動するのに、何か遠慮でもいるのか?」


屈託のない笑み。
ニカッ、と鋭い歯が見えた。


「…そうですね!」


どうしてだろう、この笑顔は、とっても心がすっきり感じかするのだ。


「しょうがないわね」

「シャルルありがとー!」

「誰もハッピーのためなんて言ってないでしょ!」

「シャルル、ハッピー、二人ともやめなよ」


そんなことを話しながら私達は、ギルドを出た。


「皆、行ってらっしゃい」

「「「「行ってきます!」」」」


ー ー


ギルドを出た後


「レストランの仕事って…ナツさんは討伐系ばかりに行くものかと思ってました」

「それな、前ルーシィに ”たまにはもっと違うのも行って見たら?” って言われたんだよ。でも誘おうとしたら居なくてさー」

「なるほど」

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作者名:れーな | 作成日時:2014年7月20日 23時

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