【イナイレ】冷酷に、無情に【第一章】

第３７話　工作 ページ40

豪炎寺「お前は、影山を逮捕する証拠を集めるために……帝国へ行ったのか…？」



目を逸らし、何も答えないA。

それを見て鬼瓦は溜息をつき、代わりに全てを話した。



鬼瓦「夕香ちゃんが事故にあった後、嬢ちゃんが俺を訪ねてきてな」



夕香の事故の原因となった、トラックの運転手。

Aは事故の際、その男が笑っていた事が気になっていたようで

父の知り合いであり刑事の鬼瓦に、彼について詳しく調べ、教えて欲しいと頼んだ。



男の取り調べをしていると、男が影山の命令でやったと自白したのだ。

証拠がなく、影山の逮捕には繋がらなかったが…。


それを知ったAは夕香の事故の決定的な証拠を掴むため

帝国へ転校し、影山に近づいたのだ。



鬼瓦「Aの嬢ちゃんはあっという間に影山の懐へ入り込み、奴の力となる事で信用を得た」



影山から次の計画を聞かされるまでに信用を得たAは

彼にバレぬよう鬼瓦にその情報を流し、危険な事は未然に防げるよう工作をしていたのだった。

もちろん、影山にはその事を悟られぬ様に。



鬼瓦「奴の計画を知っていれば、大切な奴に手を出させない事も、万が一にも守る事ができる」


豪炎寺「…！」


鬼瓦「そして嬢ちゃんは夕香ちゃんの事故の証拠を掴んだが、影山の陰謀に気付き、まだ奴の傍で息を顰める事を決めたんだ」



その陰謀こそ、今回の神のアクア

通称“プロジェクトＺ”だ。


そして今日影山は逮捕され、Aの全てが報われた。



鬼瓦から全てを聞いた豪炎寺は、まだ混乱しているようだったが

少しして落ち着き、ようやくあの日の真意が分かった気がした。



『ばいばい、修也』



泣きそうに笑った彼女は、その自分の人生をかけるような計画の為

自分の前から消えたのだ。

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