第３８話 守られていた ページ41
豪炎寺「どうして、俺に何も言わなかった」
豪炎寺の問いかけに、俯いたままだったAがようやく口を開く。
坂本「……言えば、甘えたくなる」
視線は斜め下に落されたまま、呟かれた本音。
『ばいばい、修也』
あいつはあの日、そう言って笑った。
そしてその日を境に、俺の幼馴染は姿を消した。
本当は誰よりも泣き虫で、怖がりで、優しい奴なのに……。
坂本「影山零治からの信用を得れば、計画や証拠を掴む事ができる。
そして俺は、その信用に値する人間にならなければいけなかった。
俺は今までの全てを裏切るため“冷酷に、無情になれ”と自分に言い聞かせ、心を殺しあの人に仕えた」
守っていたつもりだった。
弱虫なあいつを守るのは、いつも俺の役目だったから。
だが俺は知らない間に守られていたんだ。
何も知らず守られていた自分に、怒りすら湧いてくる。
大切な奴が、自分の心を殺し傷ついていく事に気付けなかった自分が、情けなく思える。
変わっていた一人称と口調が
どれほど自分を押し殺そうとしていたかを物語っている。
きっと涙を堪え、震えを抑え、全てを自分の中に溜め込んできたのだろう。
俺よりも小さなその体に、どれだけの負担やプレッシャーがのしかかっていたか…。
それを考えるだけで、俺の胸は張り裂けそうなほど痛んだ。
坂本「夕香ちゃんの事故の証拠を掴むためとはいえ、俺はこの手を何度も汚してきたんだ。
今更、誰にも許しを請おうなどとは思っていないさ」
また、あの冷たい声でそう告げたAだったが
その手は、微かに震えている。
それに気づいた時には俺は、Aを強く抱きしめていた。
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アメミヤ♪(プロフ) - マナさん» 返信お待たせいたしました！コメントありがとうございます！私が小説を書くときは、長台詞にならない事、想像しやすいような描写、書いていなくてもその時の心情が分かるような表現、流れのテンポ、行動の意味のつじつま、などを心がけています！言うだけはタダ！ (2021年10月30日 17時) (
レス) id: 1ef70b6993 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 作品読んで感動しました、どう作品書いてらっしゃるか教えてほしいです！ (2021年9月14日 20時) (レス) id: 3e93b35eb1 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 初めまして！作品観覧させて頂きました！！夢主ちゃんはプロジェクトZ？と関わってるみたいですね。しかも、鬼瓦さんとも知り合い(？)みたいですし続き楽しみにしてます！！更新頑張ってくださいね！ (2019年9月8日 10時) (レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 初めまして作品見ました。これからも頑張って更新してください！(^^) (2019年9月4日 0時) (レス) id: d7bac13e1b (このIDを非表示/違反報告)
水銀(プロフ) - 上手く言えないのですがめちゃくちゃ好きです…主人公は本当は豪炎寺の事を大切に思っているのが伝わりました…！これからどうなっていくかとても気になります！ (2019年8月28日 3時) (レス) id: 78abf1c607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アメミヤ♪
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/masipage/
作成日時：2019年8月25日 19時
