検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:175,619 hit

第五話 三人の隊員 壱 ページ13

鋏を受け取ってから数日後のことだ。

トントンと弱めに戸を叩く音がした。


「小生が出よう」


般若の面を被り、響凱が戸を開ける。

そこには三つ編みの蝶の髪の幼子。だいたい8歳ぐらいだろうか。


般若の面の響凱を見て怯えながら話す。


「あ、あの....四月一日さんは...」


「四月一日なら今はいない。何の用だ」


「えっと...依頼で....」


今にも泣き出しそうな少女に響凱は困り果てる。

書き物以外で頭を使うのは苦手だった。
いつもなら食べてしまうのだが、約束のため食べることも出来ない。

悩んだ結果、面を外して鼓を叩いてみた。

すると少女は怯えるのをやめた。



『ただいま戻りました....あら、なほちゃん。お久しぶりです』


「あ、四月一日さん!こんにちは」


『随分響凱さんと仲がよろしいようで』


響凱は気は恥づかしそいに面をかぶって奥の部屋へと戻っていく。

少女は蝶屋敷の少女。
あまり蟲柱と仲が良くない関係だが、仕事上関わらなくてはならない。

その上で彼女ら少女3人とは仲良くなった。

だからいつも彼女伝いで依頼を受けるのだった。


「今日は蝶屋敷にいる隊員さんの診察をお願いしたくて....」


『いいですよ?......蝶屋敷に行くんですよね』


「は、はい...。あの、しのぶ様にあの事お伝えした方が...」


あの事とは胡蝶との決定的な亀裂ができた事件のことだ。

あれは本来、蝶屋敷の見習いが差し入れに出したお菓子が原因だったのだが、胡蝶はそれを知らない。

彼女ももう過ぎた事だと言おうとしないため、関係は険悪なままだった。


それはあまり蝶屋敷に近づきたくなかったからでもある。

あそこに行くとなぜか胸が痛くなった。




渋々蝶屋敷に出向くと2人の同じぐらいの歳の少女が出迎えた。


「こんにちは!」


『こんにちは。お元気そうでよかったです』


どうやら今日は彼女たちだけで他はいないようだった。

案内された道場に案内される。

そこには赤毛の少年がいた。
揺らぐ花札の耳飾りになぜか見覚えがあり、自然と見てしまった。


「彼です」


『元気そうに...見えますが』


「治ったばかりで一応...他にもいます」


『なるほど』


とても真っ直ぐで泣きたくなるほど優しい雰囲気がした。



ダメだ!!全然勝てない....全く追いつかないし..まだ少し傷が痛かった。


『こんにちは』

「わっ!!」


そこにいたのは長い髪の白髪の女の人。
しかも能面をつけた。

全然気づかなかった。
こんなに近づいていたのに。

彼女はに匂いが...しなかった。

弐→←弐



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (182 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
468人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです!引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:甘喰い | 作成日時:2019年10月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。