Ki 3 ページ3
藤ヶ谷に告白して、気持ちにケリをつけるなんて、見当違いもいいところだった
フラれれば吹っ切れると思っていたけれど、現実はそう簡単ではなくて、藤ヶ谷にあんな険しい顔をさせてしまったくせに、
俺は情けなく、むしろ今まで以上に藤ヶ谷のことを考えてしまうようになった
俺の告白以降、藤ヶ谷から視線を感じることが増えた
多分・・気を使われているんだろうと思った
だから、藤ヶ谷を苦しめたくなくて、俺は意識的に藤ヶ谷と距離を取った
仕事はする、必要だから
側に行くことも、隣に行くことだってある、求められれば
笑顔を向けることも、向けてくれることもある
だけど・・・そこに俺の私的な感情は持ち込んではいけない
あくまで、俺達は・・ただの「シンメ」で、「仕事の相棒」なんだから
デビューして、なにかと注目されることも増えた俺達は、意識して距離をとるようになった
最初は、俺の行動に違和感を感じていたメンバーもいたようだったけれど、次第にそれが当たり前になって、誰も何も言わなくなった
当の藤ヶ谷も、俺の行動に合わせるように、次第に俺から離れていって、そのうち、俺と視線が交わることすらなくなっていった
あぁ、多分、愛想つかされたんだろうなって
そう思うと、哀しい気持ちと、どこかで、これで藤ヶ谷のことを忘れられるかもしれないと思う気持ちがあった
だから、適当に、彼女と呼べるまで行かなくても、女の子と関係を持ったりしたこともあったけれど、なんだかただ自分が虚しくなるだけで、
ばかばかしくなって、俺は色恋沙汰から身を遠ざけるように仕事に打ち込んだ
仕事自体は好きだし、楽しかった
だから、それだけに集中して、もっともっと上へ上っていけば・・
恋人としては無理でも、いつか仲間として、藤ヶ谷の笑顔が見れるなら・・それでいいと思えるようになった
ただ、君の隣で笑っていたいのに、今ではそんな事すらすごく難しい
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2020年1月7日 21時