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「・・・っ」
あの日、キスを交わしてから、北山を避け続けていた
どうやって向き合えばいいかわからなかったから
いや、それだけじゃない
あの日、北山の告白に、俺も同じだと伝えられなかったふがいない自分
その日からずっと、俺は北山と向き合うことから逃げてきた
「・・むしゃくしゃすんだよ・・・イラつくっ」
そういった自分自身でも、信じられないほどに・・
その言葉を吐き出すと、心の中の闇も吐き出されるように、ふと目の奥が熱くなって涙が堪っていくのがわかった
「っ・・・」
その光景を、目を大きく見開いた北山が黙って見つめていた
驚きの表情を浮かべた北山からパッと視線を外す
「・・悪い。見なかったことにして」
「い、や・・あの・・さ」
北山が、ばつが悪そうに俺のほうへ歩み寄る
「藤ヶ谷が…何に悩んでるかはわかんねぇけど、その・・」
北山が、その大きな瞳で俺を見上げた
「俺でよかったら・・話聞くし・・ストレスたまるっていうなら・・はけ口になる様に、付き合ってやるから・・」
「っ・・」
「辛いときは頼ってほしい。お前のためなら俺、なんでも、するから・・・」
お前のせいだ
そう言ってしまいたいのに
見上げた北山の瞳
大きなその瞳はいつだってキラキラしていてきれいだ
純粋で、素直で・・俺とは大違い
だからなのか
『なんでもする』なんて、またそうやって無駄に愛想を振りまくような言葉を簡単に口にする
だから、不安になる、ムカついてむしゃくしゃする
そんなに簡単に他人に心を許さないでほしい
少しだけ、怯えてくれればいい
そう思った
「あっそ。北山、なんでもしてくれんだ?」
「え、あぁ・・まぁ・・」
俺の正面に立った北山の肩をつかんで、その耳元にそっと唇を寄せた
「じゃぁ・・抱かせろよ」
わざと、耳元に息を吹きかけて囁いた
「溜まってンの。イラつく・・お前が付き合ってよ」
そういって、北山の頬にそっと手を添えて見下ろすと、大きな瞳がグッと見開かれた
戸惑いの色を宿した瞳が揺れる
そりゃそうだ
そうやって、どこにでもいい顔をするなよ
世の中の男たちがお前をどんな色を持った目で見てるかわかんねぇ
怖いと思って、少しは自重しれくれれば・・
「・・いいよ」
「・・は?」
北山から飛び出たのは、思いもよらない発言だった
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ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» この度は素敵なリクありがとうございました!私も楽しんで書かせてもらっております!両サイド視点を褒めていただいて、とっても嬉しかったのでやりたくなってしまいました!そしてストーリー的にも、Kさん視点があったほうが補完になるかと☆少々お待ち下さい (2020年1月6日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - ピンクピーチ様泣。お知らせを読ませていただいて泣いてます。リクエストにお応えいただいただけでも幸せなのに両サイド視点まで叶えていただけるなんて泣。ここまでの展開でめちゃくちゃ満たされてますがKi視点も楽しみにしています!ほんとにありがとうございます!! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» お読みいただきありがとうございました!拗れまくっていた二人ですが、やっと思いが通じ合いました。Ki視点でKiさんの気持ちも補完していただき、mi-chan様の靄がいっそうスカッとすることを期待しています^^ (2020年1月5日 15時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 更新ありがとうございます!2人のわだかまりが解けて私の中のもやもスカッと晴れた気分です!Ki視点とハッピーエンド楽しみにしてます! (2020年1月5日 0時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 咲良さん» ありがとうございます!じれったい二人の今後にご注目いただき、そして今年もよろしくお願いします^_^ (2020年1月3日 23時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年12月15日 23時