F 16 ページ16
部屋を開けると、広めのベッドルーム
急遽抑えた割にはこぎれいな部屋だった
「・・あ」
でも、あることに気づく
そう、ベッドがダブルだ・・
こんな展開・・想像もしていなかった
仕方なしに部屋の隅にある、ソファにごろりと寝ころんだ
視界に映る真っ白な天井を見上げた
北山と、一晩といえこの部屋で明日の朝まで過ごす・・・
好きな相手と同じ空間に二人きり
嬉しいはずなのに、素直に喜べない俺は・・いったい、いつまでこの気持ちをこじらせているのだろう
売店へ行くといったはずの北山は、15分しても戻ってこなかった
北山の方こそ、俺と同じ空間になんていたくないのかもしれない
そう思うと虚しくて、そのままソファの上で瞳を閉じた
「おい・・藤ヶ谷、ベッド使えよ」
「え」
「俺、ソファでいいから」
「あれ、俺・・」
「そんなとこでうたた寝すると風邪ひくぜ?」
先ほど横たわっていたソファで、気づかぬうちに寝てしまったのだろう
気づくと北山が部屋にいて、ボストンバックを部屋の角において、ジャケットを脱いでいた
部屋の時計に目をやると、先ほどよりも1時間も時間は進んでいた
「あ、コレ・・お前も飲む?」
「え?」
「いや、さっき売店行こうと思ったらスタッフさんと会ってさ、お前は部屋で一人のんびりしたいかと思って、俺は少しだけ飲んできたんだけど。飲み足りないから買ってきた」
そういった北山の頬は、言われてみたらほんのり赤い気がした
こちらに差し出された缶ビールを見つめた
俺と同じ空間にいるのが嫌で、時間つぶしに飲んできたのかよ
「いや・・俺はいい」
ぶっきら棒にそう答えると、北山は、そうかっといって顔を伏せた
「あ、そういや、寝るとき、藤ヶ谷ベッドで寝ろよ?俺ソファで寝るし」
「え・・や、それは・・」
「藤ヶ谷の事ソファで寝かせると・・お前、寝れなそうだろ。俺はどこでも寝れるから」
こちらを見ずに、そういった北山
その背中を見つめながら、俺も着たままだったジャケットを脱いだ
「・・・まぁ、藤ヶ谷は俺なんかと一緒の部屋で・・嫌だろうけど・・」
北山のその言葉に、俺の中の何かがプチっと音をたてた
「なに?さっきから・・やけに突っかかってくんじゃん」
「そんなんじゃねーって・・・お前こそ…俺のこと避けてんじゃん・・ずっとさ・・」
睨むような、鋭い目線
北山がそんな目で俺を見ることなんて、めったにないのに・・
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ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» この度は素敵なリクありがとうございました!私も楽しんで書かせてもらっております!両サイド視点を褒めていただいて、とっても嬉しかったのでやりたくなってしまいました!そしてストーリー的にも、Kさん視点があったほうが補完になるかと☆少々お待ち下さい (2020年1月6日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - ピンクピーチ様泣。お知らせを読ませていただいて泣いてます。リクエストにお応えいただいただけでも幸せなのに両サイド視点まで叶えていただけるなんて泣。ここまでの展開でめちゃくちゃ満たされてますがKi視点も楽しみにしています!ほんとにありがとうございます!! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» お読みいただきありがとうございました!拗れまくっていた二人ですが、やっと思いが通じ合いました。Ki視点でKiさんの気持ちも補完していただき、mi-chan様の靄がいっそうスカッとすることを期待しています^^ (2020年1月5日 15時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 更新ありがとうございます!2人のわだかまりが解けて私の中のもやもスカッと晴れた気分です!Ki視点とハッピーエンド楽しみにしてます! (2020年1月5日 0時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 咲良さん» ありがとうございます!じれったい二人の今後にご注目いただき、そして今年もよろしくお願いします^_^ (2020年1月3日 23時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年12月15日 23時