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時計の針は、チクタクと確実に時を刻んでいくのに、終わらない会話
二人の楽しそうな笑い声
それらは、段々と大きくなっていくようで、それに比例して俺の心の黒い部分も膨らんでいく
「すいません・・大倉君、もういいですか?」
「ん?」
「俺らも、そろそろ撮影なんで・・」
「え、ふじが、」
「お!!そっかー、ほな、お邪魔したなぁ、またな」
俺の言葉に、驚いたような顔をする北山と
大倉君はそれに気づいていたのかわからないけれど、すっと立ち上がると、ひらひらと手を振って笑顔で帰っていった
ぱたんと閉まったドアの音と共に、戻る沈黙を
北山が破った
「・・・」
「・・・なんで?」
シンと再びなった楽屋で、北山が俺を見た
「撮影なんて、まだまだじゃん」
「・・・・」
「藤ヶ谷…大倉の事、嫌だった?」
「・・・」
「なんで」
「そうだよ…」
そういった瞬間、北山が目を見ひらく
お前と楽しそうにしてるのが、嫌なんだ
「北山さ・・そうやって誰にでも、無駄に愛想振りまいて、へらへらすんなよ・・」
「な」
「見てて、気持ち悪い」
「っ・・」
最低な言葉を吐くと、北山が口ごもる
その目が、少しだけ傷ついて潤んでいるように見えた
「お前だって・・」
「は?」
「酔ってる相手には・・誰にでもあーゆーことするわけ?」
「・・・」
今度目を見開くのは、俺の番だった
「お前だって・・酔ったら・・誰にでもキスするんだろ?藤ヶ谷、前にふざけて玉とチューしたとか言ってたもんな」
そう言って俺を見た北山の目は、蔑んでいるのか、怒りなのかわからない色を宿していて
少しだけ震えるように小さくなった言葉尻
「・・だったら、なに?」
「え」
俺を、怯えたような小動物のような目で見る北山のほうへ、一歩距離を詰めると
わかりやすく北山の目が揺らいだ
その手首を取って、ソファから無理やり立たせて、すぐ隣の壁へ強引に押し付けた
「おい、いてぇ・・」
抗議の目を向けてくる北山は、あの日に見せた表情とは正反対で
だけど、その強気な眼差しを、
俺の色で支配したい欲望に駆られて
少しだけ見上げてくる、
ツンと上を向いたその赤に
強引に、唇を合わせた
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ピンクピーチ(プロフ) - あこさん» この度は素敵なリクありがとうございました!私も楽しんで書かせてもらっております!両サイド視点を褒めていただいて、とっても嬉しかったのでやりたくなってしまいました!そしてストーリー的にも、Kさん視点があったほうが補完になるかと☆少々お待ち下さい (2020年1月6日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - ピンクピーチ様泣。お知らせを読ませていただいて泣いてます。リクエストにお応えいただいただけでも幸せなのに両サイド視点まで叶えていただけるなんて泣。ここまでの展開でめちゃくちゃ満たされてますがKi視点も楽しみにしています!ほんとにありがとうございます!! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - mi-chanさん» お読みいただきありがとうございました!拗れまくっていた二人ですが、やっと思いが通じ合いました。Ki視点でKiさんの気持ちも補完していただき、mi-chan様の靄がいっそうスカッとすることを期待しています^^ (2020年1月5日 15時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - 更新ありがとうございます!2人のわだかまりが解けて私の中のもやもスカッと晴れた気分です!Ki視点とハッピーエンド楽しみにしてます! (2020年1月5日 0時) (レス) id: 18d9607c4d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 咲良さん» ありがとうございます!じれったい二人の今後にご注目いただき、そして今年もよろしくお願いします^_^ (2020年1月3日 23時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年12月15日 23時