だから、俺の隣で泣いてほしい

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「藤ヶ谷・・はなせっ・・ん、ん・・」

「なんでお前に命令されなきゃいけないの？」

「ン、ンン・・っ」



壁に押し付けて、貪るように深く唇を吸うと、北山は抵抗しようともがいたけれど、
徐々に唇の形をなぞって、肌を合わせるように、身体を抱くと、次第におとなしくなっていった



「なぁ・・感じてんだろ？」

「バ、か・・いえっ！」


その隙に、舌をねじ込んで、歯肉をなぞると、戸惑った赤い舌が、不意に絡む
互いの唾液が、混ざり合う感触に背筋が震えた

強がって、涙をためた目で俺を睨み上げてくるその顔は、ぞくっとするほど妖艶で、
俺は少し下にあるその顔に、手を添えてもう一度激しくキスをした


「ん、あ・・」


ベルトのバックルに手をかけて、そのまま、布越しから、北山の中心に触れてやると、わかりやすく北山の瞳が揺れた


「おい・・まって・・」

「・・もう反応してるクセに」


指先で、そこを弾くと、北山が甘く呻いた

俺が、唇を離して、鼻先だけ触れた状態で、そう吐息で囁くと、北山の目が急に潤みだした


「お前・・なんで・・」



なんで？

好きだからだと、愛していると

伝えればいいのに



愛しすぎて、誰にも言えない思いは、
散っていく花よりも美しく咲き乱れて、あっという間に堕ちていく





「だって・・お前が・・」


そうさせるんだろ


俺だけのものになれない、お前が
俺以外も虜にしていくお前が、悪いんだ


そう言えないから、指先で北山に触れていた手を、少しだけ強く握った


「藤ヶ谷・・」


その声も、吐息も、
全部俺のものだといってほしいのに




なぁ、愛しすぎると人は、狂っていくんだ

愛しているを言えないで、無口になっていくのに、身体は、こんなにも



お前が欲しいと叫ぶ

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