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悪食4 ページ5

目を覚ました。



貴「ん…タタラ…?」



呼ぶと彼は優しく微笑む。



なのにその仮面を外したら強引な誘拐犯だ。



タ「…お腹は空いていないか?」



貴「…うん、空いた」



タ「そう思って持ってきた、食べろ」



と、私に箱を差し出した。



貴「え…これを?」



中身は…ぐちゃぐちゃの肉みたいな何か。



タ「これを食べたくないなら、



条件付きで美味しいものを食わせてやる。



その条件は…俺と同じ布団で寝ること」



貴「それって…」



タ「ああ、そういうことだ」



貴「やだ…やだよ、月山じゃなきゃ嫌だ」



タ「じゃあ食べろ」



貴「やだっ…食べない……」



タ「ふぅ…二択だ。



食べて何もされないか、



食べないで情を交わすか」



貴「そんなのっ…」



ずるい。



貴「食べるよっ…」



箱の中に手を入れ生暖かいそれを口に入れた。



タ「吐いたりしたら、分かってるよな?」



貴「ううっ…うっ…んむっ…」



噛むのではなく飲み込むように。



タ「っち…」



そしてその箱の中身を空にしたのは10分後、



貴「ふえっ…ううっ…酷いよ……っ」



なるべく彼の顔が見ないように枕に顔を埋める。



タ「黙れ、お前が言うことを聞けばいいんだ」



貴「だから私には月山しか居ないの!」



持っていた枕をタタラにぶつける。



タ「っ…そんなに怒らないでくれ、



すまない」



私の頭を大きな手で撫でる。



貴「…ん…」



なんで?言う事を聞かないとたった今決めたのに。



そう思うたびに逆に支配されていく。



タ「どうした…?」



貴「タタラ…」



こんな奴、って思う程貴方を意識する。



タ「そうだ、なんか欲しいものはあるか?」



貴「欲しい…もの?」



タ「金でも、服でも家具でもいい」



貴「…要らない、欲しくない」



タ「…欲しくなったらいつでも教えてくれ」



そう言ったきり黙り込んだタタラ。



貴「どうした…の?」



タ「いや、なんでもない。



屋敷の探検でもするか?」



貴「え?」



タ「暇だろ」



貴「う、うん…行く」



中途半端な優しさ、



それが嫌だ。



やめてよ、



本当にやめて。

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設定タグ:東京喰種 , 月山習 , タタラ
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(プロフ) - さなさん» やっとログイン出来たので記念編として今日から更新します!タタラさんとのオチも書かせていただきますね〜! (2018年4月10日 20時) (レス) id: b85cd0b74a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます、やっとログイン出来たので記念編を書こうと思います!! (2018年4月10日 20時) (レス) id: b85cd0b74a (このIDを非表示/違反報告)
さな - なんか、月山さん好きでこの小説読ませて頂いたのにタタラさんに惚れましたわwwwタタラさん切ない、、素敵な小説でした!タタラさん落ちも見たいなー (2017年3月30日 1時) (レス) id: 17b73b6934 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - とても感動しました。エトが結婚式に来た時に涙が...人を泣かせる事の出来る物語が書けるって羨ましいです。これからも頑張って下さい。応援してます。 (2016年3月29日 9時) (レス) id: dfa230fb2a (このIDを非表示/違反報告)
桜果(プロフ) - 泣きましたわ(´;ω;`)ブワッ (2015年10月3日 21時) (レス) id: 8c1145e0ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他2人 | 作成日時:2015年3月20日 16時

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