パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ4)

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絶対安静　4　(和) ページ4

智Side

智「かず、動かないで?
包帯巻くだけ。痛いことしないから。」

和「いたいよ!! やだ!!」

骨にヒビが入っていた足首に
ギプスをつけているだけなのに、和は痛い痛いと喚いてる。

そんなに痛いはずないんだけどな。
鎮痛薬入れてるし。

和「いたいのに・・・いじわる・・」

智「え～? 僕、いじわる?」

和「やめてって言ってる・・・」

雅「そうだよね。痛いのにねぇ。
じゃあまーくんが痛いの取ってあげよう。
ほら、かず?」

泣きそうになっている和を雅紀が上手くなだめてくれて、
ようやく静かになった。

いじわるなんて言っておいて、
雅紀が手を差し出せば
それにすがるように両手を伸ばしてくるんだから。

寂しがり屋で甘えん坊の和くんは、
雅紀に抱きしめてもらって満足そう。

そんなんだったら、
最初から抱っこしてって言えばいいのにね～

うちのお兄ちゃんなら、
どんな要求をしても絶対に嫌な顔はしないから。

むしろ、喜んで引き受けてくれると思うよ(笑)

智「潤、もうちょっと足持ち上げてくれる?」

潤「はい・・・こう?」

和「あぁっ!! いたい!!」

潤「えっ!?・・・ごめん。」

僕の補助をしてくれている潤は、
和の大きな声にビクッと肩を揺らしている。

これくらいじゃ痛みはでないだろうから、
和は急に動かされて驚いただけだと思うけど。

雅「痛くない、痛くない。
大丈夫でしょ?」

和「んん・・・いたい・・・」

雅「そっかそっか。
ほら和、おでこに冷たいの貼ってあげようね。
気持ちいいよ～」

智「潤、和はびっくりしただけだから。大丈夫だよ。
こうやって叫ぶのは、よくあること(笑)」

潤「そっか・・・そうだよね。」

潤は、和が階段の下で倒れているのを、
見ていたわけだから。

落ち着いているように見えても、内心焦っていたんだよね。

だから余計に慌ててしまったんだろう。

和もまだ落ちたときのショックと痛みを
引きずっているみたいだし。

僕らのちょっとした動きでもビクビクしてるんだもん。

足にヒビ入って、腰も強打して、
体中に痣と擦り傷つくって・・・

声も出ないほど痛かっただろうから。

しばらくは、痛みに敏感になっちゃうかな・・・

雅紀に冷えピタを貼られてるときも、
痛くないか確認してたしね。

これからの治療、慎重に行ってあげなくちゃ。

少なくとも熱が下がって情緒が安定するまでは、
できるだけ怖がらせないようにした方がいいだろうね。