パパが治してあげようね *ARS* 2 (ページ47)

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胃腸炎　15　(雅・和) ページ47

智Side

智「雅紀、さっきはありがとね。

和はさ、雅紀のことが大好きだから、そばにいてくれて安心したと思うよ?」

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雅「・・・・・・・・かわいそ・・・だったから・・・」

智「ん? かわいそう?」

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雅「うん・・・・・・・かわいそう。

・・・・おれ・・・みたくない・・もん・・」

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智「そっか。雅紀は、和が苦しんでるところを見るのが嫌なんだ。

早く治ってほしかったんだね。」

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僕の言葉にコクンとうなづいた雅紀は、

うとうとしだした和のことを、心配そうな顔でみつめていた。

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自分だって苦しいはずなのにね。

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優しすぎるよ、雅紀。

まずは自分のことを最優先にしていいんだよ?

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智「点滴もしたし、きっと明日の朝にはよくなってるから。

雅紀も、早く元気にならなきゃね。」

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雅「でっ・・・でも・・・・ちゅ・・・しゃは・・・・」

智「注射は嫌だって?(笑)
さっき和に、俺も頑張るよ、って言ってたのに～
ねぇ、翔。まだ和起きてる?」

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翔「うん、起きてるよ～」

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智「かず～、ちょっとこっち向ける～?
見ててね～、雅にぃ注射頑張るからね～」

雅「さっ・・・・さとにぃっ・・・・」

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和にじっと見られて泣きも暴れもできなくなってしまった雅紀は、

腕に消毒を始めた僕を潤んだ目でみつめてきた。

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身体をもぞもぞと動かしてるけど、固定は必要なさそう。

何度も腕を引っ込めようとしてるけどね(笑)

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智「雅紀、力抜いて?
そんなに手、ぎゅってしなくていいから。」

雅「さとにっ・・・・やっぱやめ・・・」

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和「・・・・・がんばって・・・・・・・」

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雅「ぇっ・・・・・・んんっ!!」

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急に聞こえてきた和の小さな励ましの声に雅紀がびっくりしているうちに、スッと針を刺し終えた。

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今度は和に助けてもらっちゃったね。

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智「はい、いいよ。
よく頑張りました。」

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和「がんばり・・・・ました。」

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布団の中で小さく微笑んだ和に、雅紀は、“かずも、ね”って微笑み返していた。

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あっという間にスースーと寝息を立て始めた2人。

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翌日には声を出して笑いあっている姿も見れて、ほっと胸を撫で下ろした。