Remember Loving 【志麻】

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土曜の夜。

センラくんからいきなり 飲み行こーって連絡が来て、センラくん 名古屋ちゃうの？って聞いたら、実は東京に来てんねん、なんて。

今日は 夜あたりに坂田がAのお見舞いに行くみたいなこと言うてたからそれに合わせて 邪魔しに行ってやろう なんて思っていたが、予定変更。

センラくんと飲みに行くことにした。





Aが事故にあってから もう数週間は経っていて、記憶障害があるからってのと 怪我が完治してないからって理由で入院してるけど もうそろそろ退院していい時らしい。

退院したら 今度こそ 会えなくなるのだろうか。あいつの事なら 遊ぼーなんて言ってきそうやけど。



待ち合わせ場所でスマホいじりながら そんな事を考えていると、ぽんっと肩に手を置かれ 驚いてそちらを見ると 柔らかく微笑むセンラくん。




｢ 久しぶりやね〜、志麻くん。この前のライブ以来ちゃう？ ｣


｢ せやな…って、センラくん 仕事終わり？ ｣


｢ そうそう。仕事終わって暇やったから 志麻くん誘ってん ｣


｢ 一番に誘われた？俺 ｣


｢ そうやけど、どしたん(笑) ｣


｢ 一番って嬉しいやん ｣


｢ 志麻くん俺のこと大好きやもんなぁ ｣


｢ そういうセンラくんやって俺のこと大好きやろ ｣


｢ バレたか〜 ｣




そんな一通りふざけた会話をしてから、近くの居酒屋にでも入ろうかという話になる。

隣を歩くセンラくんは、Aが記憶を失くしたってことを知ってる。うらたさんにも一応報告した。

んでも大丈夫やからって言って、普通に生放送もしてるし 歌ってみたの投稿も続けてる。
イベントも行ってるし、普通に生活してるように見えるだろう。


でもその中でも すごく俺のことを心配してくれていたのが センラくんだ。
ほんまに大丈夫なん？とか、無理してへん？なんて、俺が元気ない時に いつも連絡をくれた。

…ほんまに最近、坂田も含め 年下組にはめっちゃお世話になりすぎやな。上手くやってけへん証拠や。

うらたさんもうらたさんで、やはり俺を気にしているらしいし。んでも俺の強がりを尊重するように、俺自身には聞いてこない。
坂田とかに、志麻くん大丈夫なの？なんて聞いてるらしく。

強がりたい俺からすれば好都合だが、やはり心配掛けてることに関しては申し訳ないと思う。





｢ 今日は 愚痴大会にせぇへん？ ｣


｢ 愚痴…？ ｣


｢ 不安とか全部、吐き出しましょうよ ｣





センラくんの笑顔は、いつも通りとても優しかった。

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