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recoup 30 ページ30

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泣き腫らして心がだいぶすっきりするほど 本音をぶちまけた後、俺は 段々と恥ずかしくなって ははは、と乾いた笑みを作る。

そんな俺を見た センラくんは、無理に笑わんでええよ って言いながら、ハンカチを貸してくれて。





「 危うくセンラくんに惚れそうになるわ 」


「 センラ イケメンやから しゃあないっすね 」


「 ふは 」




今度は ほんまに面白くて つい吹き出すと、センラくんも安心したように笑ってくれる。
それから、センラくんは 少し考えながらも 言葉を続けた。





「 素直になってもええんちゃうかな 」


「 … 」


「 今は 志麻くんやなくて、さかたんが好きってだけなんやろ?それをまた、志麻くんを好きって思わせればええだけやん 」


「 簡単に言うけどなぁ… 」


「 志麻くんなら出来るよ。だって、前だって 彼女ちゃんのこと惚れさせたんやろ? 」







確かにそうだ。
彼女は最初、俺のことなんか全く知らんかったし 当たり前やけど好きでもなかった。

それを惚れさせたのは確かに俺や。
俺だけども…







「 諦めるなんて柄ちゃうやん、志麻くん… 押してダメなら押し倒せ!やろ? 」


「 …センラくん、酔うてるやろ 」


「 んー、ちょっと回ってきてるかもなぁ 」





ふふ、と笑う センラくんは色っぽくて、あーこりゃだいぶ回ってきてるな、と 泣いたせいか結構冷静な 頭でそう考える。



そろそろ帰ろかー? あれ俺 ホテル取ってたっけーなんて 言うセンラくんに、今日は 俺の家に泊まってけばええよ、と言うと ありがとう、と嬉しそうに笑う。





それがなんとなく Aと重なって。



( ____もう一回、惚れさせればいい…か )








確かに、俺は 一度振られた気でいたけど、彼女からしたら 別にそういう訳では無い。

そういう考えも、確かにありかもしれない。





頭のどこかで そう考えながら、次第にどんどんお酒が回って 絡みまくってくるセンラくんを 上手く交わして、俺も ビールを口に含む。





そのビールはなんとなく、さっきより 美味しいようなそんな気がした。

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ざゆ(プロフ) - 本当に本当に本当に最高でしためちゃくちゃ泣きました!!こんなすてきなさくひんをありがとうございます、また何回も読みに来ると思います本当に大好きです!! (2020年8月11日 1時) (レス) id: d0019edafb (このIDを非表示/違反報告)
空っぽのコップ(プロフ) - センラさんに正直に話す所から涙が止まりませんでした。こんなにも素敵な作品を作って下さってありがとうございます! (2019年6月28日 7時) (携帯から) (レス) id: 7582f8fce2 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - ぷりん畑さん» お返事遅くなって申し訳ありません。私の作品なんかで涙を流してもらえるなんて光栄です!ぜひrecoupを聴きながらまたこの作品を呼んでもらえると嬉しいです! (2018年6月7日 3時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん畑 - お友の紹介で読み始めたんですが、夢主事故った位からずっとうぅうぅ泣きながら読んでました。またrecope聴きたくなりました。大好きです。 (2018年5月25日 22時) (レス) id: ddc5e690a1 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 葵香さん» 素敵な曲ですよね、あの曲私大好きです(*´ω`*)ご覧いただきありがとうございました! (2018年1月18日 1時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零生 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年10月30日 8時

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