第18球 信じてとべ ページ20
Aside
山「ナイッサー、一本！」
大地さんのサーブで試合は再開した
影山くん、すごい集中力…
今までにない程に、コート上の全てに全神経を集中させている
ブロックの位置
ボールの位置
スパイカーの位置
次にどう動く？
どこに飛ぶ？
彼のジャンプのてっぺんは？
そして…
影「(いま！！
この位置！！
このタイミング！！
この角度で！！)」
ﾊﾟｼﾝ！
ﾊﾞｺﾝｯ！
影「よし！！」
日向くんの打ちおろしたボールがコートに落ちた瞬間
体育館を静寂が包んだ
嘘でしょ？？
あんなことって普通できるもの？
日「っ……！手に、当たったーーー！！うおーーーーすっげー！！」
「………何あれ？」
菅「…！Aちゃんは分かってたんじゃないの？」
「いや、でも！日向くんが！」
菅「日向？」
澤「おい。今、日向、目をつぶってたぞ！」
月＆影＆田「はあぁー！？」
そう、ジャンプする瞬間からスイングするまでの間、日向くんは目をつぶっていた
影山くんが日向くんの動きに完璧に合わせてトスを上げたのだ
影山くんのスキルが素晴らしいのはもちろんだけれど
日「今の成功だろ！何が悪い？」
影「それはそうだけど、100％信じるなんてできるか普通！！」
日「だって今、信じる以外の方法分かんねぇもん！！」
影「！！」
彼を100％信じて跳んだ日向くんもとんでもない超人だ
これを機に流れが変わる
と思いきや
立て続けに挑戦するも、全くもって決まらない
精密なトスを上げる側はもちろんのこと
失敗により顔面トスをくらっている側も
双方ともにしんどそうだ
でも、2人の顔に諦めの色は全く見えない
日「(もう一回！もう一回！)」
影「(もう一回！丁寧に！)」
長身の選手に高さで劣るなら
1cmを
1mmを
1秒早く
てっぺんへ！
そうすれば
今この瞬間だけ
そこが一番高い場所
目の前に立ちはだかる、高い高い壁
その向こうは、どんな眺めだろうか
どんな風に見えるのだろうか
一人では、決して見ることのできない
頂の景色
***
菅「(よく我慢して待ってたな〜、顔面にトスくらってるやつなんて、初めて見たもんな〜)」
「…！？(ﾁﾗｯ(スガさんちょっと泣いて……いや笑ってる？)」
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幸人 - これは初神者 (2019年10月4日 17時) (
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作者名：Rei | 作成日時：2019年7月7日 5時
